編集者より 38899

 先日、北海道浦河町にある「べてるの家」を訪問しました。今特集で紹介した向谷地生良さんと浦河町から千歳空港までの車中、本誌連載を依頼したときのことを話していました。教会へ来る障がいを持つ方へどう対応したらよいか示唆を与えてほしかったこと、また私の「とまどい」と「恐れ」の背景には統合失調症を患う弟の存在があったことを伝えました。「弟と私たち家族の将来を思うと、当時は生きることがつらく、ただ絶望していました」と言った私に、向谷地さんがおっしゃったのは、「じゃあ、『「べてるの家」から吹く風』は絶望から生まれたのですね」という言葉でした。この仕事を与えられたことを心から感謝しています。(梶)