編集者より 37591

 多読は愚者につながる。読書は著者という他人の思考をたどるだけのこと。考える必要はなく、何の苦労もない。だから本を読めば読むほど、考える力を失っていく。読書の弊害ともいえる、そんな趣旨の評論を読みました。食物が消化されなければ栄養にはならないように、読みっぱなしで、考えることをしなければ、かえって時間と金銭の無駄遣いということになるのでしょうか。自分も日頃そんな無駄遣いをしている愚者の一人ですが、洪水のように日々おびただしい数の本が生み出される現代、自分にとって本当の良書とはどのようなものなのか、改めて考えさせられます(正村)