神様がくれた風景 12 クリスマスの夜

クリスマスの夜
やまはな のりゆき

「あなた、どういう漫画を描いているの? 教えてちょうだい」
2年前の夏のこと。JBBF(日本バプテスト・バイブル・フェローシップ)のとあるキャンプで、大先輩であり尊敬するご婦人クリスチャンとお会いした時に尋ねられました。クリスチャンになりたての頃は、仕事を通して主を証ししようと躍起になっていたこともありましたが、ビジネスとして成立が難しいという現実の壁にぶつかり、漫画はあくまでも仕事として、いつしか切り離して描くようになっていた私は答えあぐねてしまいました。「知らなくていいですよ。ご婦人が読むような物を描いていませんから」笑ってごまかすと、「どうして教えてくれないの? 証しになるじゃないの……」と、その方はずいぶん悲しい顔をされました。以降、僕は「クリスチャンが喜んで友達に渡せるような、証しになるようなものを作らないといけないな」と考えるようになり、祈り始めたのです。
それから1年後のある夏の日、この表紙画の依頼の電話がかかって来たのです。主はこのような者の祈りを聞き入れてくださいました。ハレルヤ! 声の主は、女性編集者Nさん。彼女とのお付き合いもずいぶん長くなりましたが、出会った頃から僕との仕事を模索し、祈りを積み上げてくれていました。この仕事は彼女の祈りの実でもあるのです。
あくまで漫画家であって、絵描きではないので、技術的には全くの素人。お恥ずかしい点ばかりが目立つのですが、水彩画を描くことを通して主は多くの事を私に教えてくださいました。必要な訓練だったのだと思います。(でも、本当を言うと一番きつかったのはこの毎回のエッセイです。笑)
最後になりましたが、担当のNさんと出版部の皆さんに、そして祈り支えてくださった私の教会の牧師夫妻と愛する兄弟姉妹たちに。家族と最愛の妻に。何より見て応援してくださった読者の皆さんに、心より感謝を申し上げて締めの言葉としたいと思います。1年間ありがとうございました。