四十路へのずっこけ恋愛道 教訓11 独身時代にしておくことは、妄想劇場だけではないので……

松本望美
北朝鮮宣教会所属

 ある日、独身女子たち数人と「クリスチャンといえども信仰のスタイルはいろいろだから、きちんと自分の信仰スタイルと合う人と付き合うことが大切よね~!」と話していた。

 「例えば、信仰深いのかもしれないけど、毎回のデートのときに“今日行く場所にはこんな偶像が奉られているから、その前を通るときには立ち止まって悪霊追い出しをしよう”って言われるのって、どう?」「“それは嫌!”って言ったら“聖霊に満たされてない!”って言われちゃうとか?」また、ある女子が「“お互いのために祈ろう”って言われて、祈りの途中から異言になられちゃっても解き明かしの賜物ないからわかんな~い」と言うと、ある女子は「誕生日のプレゼントに“こひつじグッズ”をもらっても、ちょっともうれしくないし~」と言う。

 「話題の映画を見たくても“それは、世的だからダメだ!”って言われて、映画は“ジーザス”とか“塩狩峠”ばっかりでもね~!」「“今日のデートは、断食デート!”っていうのも腹ペコで困る!」独身女子たちの「妄想劇場」は続き、ますますエスカレートしていく。

 「風邪で高熱を出しているのにもかかわらず、“主は癒し主!”とかいって、祈ってくれるのはいいけど、薬もくれない」とか「子供の名前を、無理やり聖書から引っ張ってきて、“ゴリヤテ君”も困るし、“耶蘇”と書いて“ヒロシと読みます”っていうのもね~」「毎朝、起きてくると“夢の中で主が語られたんだけど”って預言なのか、“朝の占いカウントダウン”なのかわからないのも疲れるし……」

 出てくる出てくる……妄想劇場は、果てしなく続くのであった。そこまで極端に合わない二人を、神様は結ばれるのか? 信仰の形がぴったり合わないまでも、近い形の二人を結び付けてくださるんじゃないの? っていうか、お互いそんな極端なタイプを好きになるのか?

 「いや、私たちはダメだけど、そういうタイプじゃなくちゃ! っていう女子だっていると思うよ」「そうそう、いるよね。プレゼントは、こひつじグッズじゃなくちゃ! っていう女子が」「そういう人同士がくっつくようになってると思うわけ。年賀状に“子供が生まれました。長男・ゴリヤテ・三か月”みたいな」え~~?

 そして、最後に彼女たちは言った。

 「とにかくね、私たちの旦那になる人は、私たちの基準がいいのよ」「そうそう、普通でね」(普通ってなんだ?)