世界的ベストセラー
画期的な解説つき聖書
『バイブル・ナビ』12月、翻訳出版決定!
◆聖書理解のサポートとして

 『BIBLE navi バイブルナビ  』
竿代 照夫
イムマヌエル綜合伝道団代表/インマヌエル中目黒キリスト教会牧師

私の持っている『Life Application Study Bible』(生活適用を学ぶ聖書)の扉を見ると、「一九九九年、次女のホィートン大学卒業記念に購入」と書かれています。私が娘の卒業式に出られなかったので、一人で出席した家内がホィートン大学の書店でこの本を購入して私にプレゼントしてくれました。それ以来、本書は私の愛読書の一つとなりました。
なにしろ大変便利な本です。聖書本文に並行して、その背景、文章の流れなどが、図表入りで丁寧に説明されています。
私は今、教会でネヘミヤ記の連続講解をしているのですが、「ネヘミヤの祈り」と題する記事がまとまった表として示されていたり、ネヘミヤの城壁修復工事の様子がエルサレムの地図とともに詳しく説明されていたり、私が知りたいと思うことが、実に適切に示されています。聖書時代の服装や植物・動物のイラストなどはありませんが、基礎的な材料は十分に本書から得られます(イラストなどについては、別な本を参照しています)。
また、これが本書の特徴だと思いますが、特定の聖句や分節について、それが現代のクリスチャンの生活や奉仕にどのように適用されるかという解説が加えられています。私にとっては、説教の「種」となるような色々なヒントを得ることができ、読んでいて楽しい思いがします。
ネヘミヤ記について言えば、八章に「律法朗読聖会」の翌日に、民の指導者たちが、より詳しく(聖書の)律法を学ぶために学者エズラのところに集まって来た記事があります。
本書では、この適用的解説としてこう記されています。「注意深く聖書を読むときはいつでも、次のような問いへの応答が求められる。この(聖書)知識に対して私はどう向き合うのか? 私の生活をどのように変えなければならないか? 私たちが学んだことが、私たちの生活にとって本当に意義を持っているとすれば、それに対して、何らかの行動を起こさねばならない」
さらに、続く一四~一七節では「仮庵祭の七日間、人々は木の枝で作った仮小屋に住まねばならなかった。この祭りは、彼らがエジプトから救い出されたことと、荒野で仮住まいをしたこととを思い出すために制定された(レビ二三・四三)。彼らは荒野でさまよっていたときに神が守り、導いてくださったことを想起し、今でも神は、神に従う人々を守り、導いてくださると信じた。この祭りこそ、彼らは自分たちがどこから来たかという起源を思い出させるときであった。私たちも、自分たちが今ある立場を感謝するために、自分たちの起源を思い出すことが大切である。神があなたをどのように導いてくださったかという過去を振り返りなさい。そのとき、神がいつでもあなたを守り、すべての必要を満たしてくださることを感謝するだろう」と、解説されています。
こうした解説は、いわば聖書本文からごく自然に導き出される適用例です。そのため深みには欠ける点があるかもしれませんが、あまり突飛ではなく、オーソドックスな聖書の読み方を示唆してくれます。

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私は、(特に説教準備の場合には)みことばからの教訓を得るとか、実生活に適用するという作業は、注解書に頼らずに、自分で聖書本文(原文を含め)を読んで読んで、読み抜いて、背景を調べつつ、祈りの内に、主から直になされるべきものと考えています。
ですから、私が本書を参照するのは、説教準備の骨格が終わった段階で、それをさらに豊かにするために、また、自分が誤っていないかどうかを確かめるための補足資料としてです。
この原則は、個人のデボーションにおいても、教会学校の準備においても、当てはまることと思います。
この本が日本語になることはとてもすばらしいことですが、読者諸氏におすすめしたいのは、聖書本文をまずじっくりと読み、自分なりに思い巡らすというプロセスの後に、参考意見として読んでいただきたいということです。そのとき、本書は豊かな助けとなることを信じます。