ブック・レビュー 夫婦という関係は、
限られた時間だから大切にしたい

 『夫婦の未来に希望を抱いて』
久場祥子
保守バプテスト同盟 北信カルバリー 教会牧師夫人

この本は単に、結婚を考える人たちが結婚に向けて学ぶための書物ではありません。私たちが神様に愛されて生かされていること、そして、神様は男女の秩序・役割を明確にしておられることを教え、結婚・夫婦生活を営むうえでのあり方を示してくれます。特に、子どもや女性の尊厳について、また子育てやいじめ、DVにまで触れ、統合的にわかりやすく書かれています。しかも、そのような深い内容を著者自身のご結婚の歩みのお証しとともに、あたたかく、ほっこりとやさしく教えてくれます。
結婚してから始めた恋愛。著者が結婚式前日にもらった手紙には、「明日が最低の日でありますように」とあったそうです。そうすれば、後は上がるしかないから。父母を離れ、一心同体となった夫婦としての新たなスタートを切るというのは、大切な認識の一つですが、恋愛のスタートとは……。その気持ちをもって著者と奥様は結婚され、その心を持ち続けて歩み、今も恋愛の中におられ、その中でお子様がたが成長している姿をかいま見ることができます。
そして、夫は主が教会を愛するように妻を愛し、妻は夫に従うという、聖書の教える夫婦の秩序をまっすぐに教えてくれます。けんかをしたとき、困難にぶつかったときにどうしていくのが良いのかも語られます。いわゆるHow toものではありません。男女の違いを説明し、解決を導くのでもありません。神様から与えられた男性と女性の使命から、困難を乗り越えていく信仰を教えてくれるのです。
この書を読ませていただいて私は何度もはっとさせられました。特に子育てでは、時として感情的になって子どもをいさめ、威圧的態度になったりしますが、それは、子どもの尊厳を認めないことであることを改めて深く考えさせられ、反省し、悔い改めました。
著者は、夫婦関係が地上で解かれるのだから、残された日々を慈しみ大切に過ごして二人の関係を築いていくことを勧めています。読んでいると、夫婦として過ごす日々が本当に限られているのだなと実感させられ、大切に歩んでいこうと思いました。