ブック・レビュー 『霊的リーダーとなるために』

『霊的リーダーとなるために』
ダニエル・アイバーソン
日本長老教会 おゆみ野キリスト教会 牧師

私たちはみな、リーダーとしての責任が与えられている

 まだ私が20代で駆け出しのリーダーだったころ、初めてこの本を読み、大変感銘を受けました。約10年間のリーダーとしての経験の後、30代になって神学校に入学し、再びこの本を読む機会が与えられました。改めて、この本は本当にすばらしい名著だと思いました。3度目に手に取ったのは30年間リーダーとしての経験を積んだ50代になってのことです。じっくり読み返し、そこにつまっている宝を、周りの人たちにも伝える必要を感じました。

 すぐさま3冊手に入れ、リーダーとして仕えている3人の息子たちにプレゼントしました。次男は1日のうちに読み終え、「お父さん、いい本だったよ」と言ってきましたが、私は、「こんな名著を1日で読み終えることはできないよ。じっくり、そして自分の人生の肥やしになるように噛み砕きながら読むんだ」と答えました。

 この本は単なるノウハウにとどまることなく、霊的な高みを目指すよう絶えず読者にチャレンジを与えています。たとえば読書についてです。読者が著者の思想に触れ、何らかの感化を受けるという効能にとどまらず、読者と著者との間に人格的交わりがなされるのだと指摘しています。(つまり、本書を読むことによって、すぐれた霊的リーダーであったサンダース師との「人格的交わり」ができるのです!)

 息子に贈ってからも、何冊も買ってはクリスチャンの友人やリーダーたちにプレゼントするようになりました。そこに書かれている豊かな内容を、日本人の同労者たちや神学生たちと分かち合い、感銘を受けています。

 私たちには、大なり小なり何らかのリーダーとしての責任が与えられています。親は子の、同僚から悩みを打ち明けられたら、あなたはその人にとってリーダーとなります。その意味で、本書はすべての信徒の必読書です。翻訳出版されたことを心から嬉しく思います。