ブック・レビュー 『主に従う者に与えられる祝福の道』

『主に従う者に与えられる祝福の道』
生島 陸伸
カンバーランド長老教会 牧師

豊かな知識に裏付けられた解き明かしで、深い恵みを受ける

 松木先生の講解説教『主に従う者に与えられる祝福の道』を読み、神様からの豊かな祝福をいただきました。

 この説教のひとつひとつを読みながら、スイスのラサで開かれたハンス・ビュルキ先生のセミナーで松木先生ご夫妻とご一緒に受講したことを思い出し、その時お会いした先生の暖かいお人柄に出会っているように感じました。

 この本は、善いことはすぐにご自身の生活の中に取り入れる姿をも思い出させる説教集でした。それが、先生の人格のすばらしさであり、牧会の姿なのだったと思います。

 また、松木先生の豊富な知識には驚かされました。ギリシャ語、ヘブル語、英語を用い、聖書の言葉の意味と内容を聴く会衆によく理解できるように説明されています。

 たとえば「もう一人の息子」の説教では、「ここにある『仕える』は、奴隷のように仕えるという意味です。喜びをもって仕えるというのは、ディアコネオーということばですが、ここで使われているのはドゥーリュオーで、奴隷のように仕えるという意味の言葉です」(四三七頁)とあります。

 このような説明が隋所に出てきて、言葉の理解を助けるので、みことばの深い意味を受け取ることができ、恵まれるのです。

 松木先生の奥様であられる従子先生が、あとがきの中で「日ごとのデボーションに用いていただけたらという思いが沸いてまいりました」と書いていますが、たしかによい指導書です。

 松木先生との交流ができなかったことを残念に思っていた私ですが、神様の憐れみで、このような形で天に迎えられた先生と交流することができたことを嬉しく思っています。

 この本から、豊かな恵みをいただき、感謝が溢れました。