ブック・レビュー 『リバイバル』

『リバイバル』
櫛田 節夫
日本福音キリスト教会連合 白金キリスト教会 牧師

英国リバイバル百年目に祈りを込めて語られた連続説教

 「博士にとってのリバイバルは、回心者を生み出す福音伝道や、地域教会の快活さ、熱心さ、予算の達成などということ以上のものを意味しました。博士が求めていたものは、聖なる恵み深い創造主の偉大さと近さを知ることによって得られる、新しい性質の霊的生活でした」(序文より)。

 本書『リバイバル』に収められている一連の説教は、一八五九年に英国で起きたリバイバルの百年目に当たる年、ロンドンのウェストミンスター教会でなされた連続説教で、ロイドジョンズ博士が五十九歳という最も充実期になされた説教です。序文を書いたJ・I・パッカー博士は「これ以上に、このテーマを力強く扱ったものは、われわれの時代にはない」と言っています。

 「頭のない心だけの宗教、あるいは心のない頭だけの宗教」「行いのないことばだけの宗教」「内面の変化を伴わない外形だけの宗教の不適切さ」「今日の教会の衰退と、伝道や教会のテクニックへの依存から生じるさらなる弱体化」を指摘し、ロイドジョンズ博士の働きのすべてともいえる聖書講解をもってリバイバルの必要性を語ります。「リバイバル─すなわち最悪の霊的な惨めさを避けうる唯一の出来事としての速やかな神の訪れ─の必要がある」と。

 そしてその主張は、約五十年を過ぎた現代に生きる私たちにも厳しく突き刺さってきます。信徒が一パーセントにも満たない日本こそ、この神の訪れが待たれます。

 聖書と教会の歴史から学ぶこと、聖書のある真理を隠蔽したり無視することは教会の低迷に繋がること、重要な教理の再発見、ことに神とその臨在、主キリストとその復活の力とを深く知るために瞑想と祈りとに多く時間を取ること、自己満足を排し深刻に罪を悔い改めることなどが、リバイバルに繋がる人間側の備えであることなど教えられること大です。