ファインダーから見た情景 12 思い出の道

思い出の道
秋山雄一
フォトグラファー

 東京の町でアスファルトのない道はほとんど見ることができなくなりました。

 アスファルトは歩きやすいし、今では当たり前の存在になっています。そのためか舗装されていない道、海外のレンガ、石畳の道などを見ると強い印象が残るものです。

 私の遠い記憶をたどると東京でも土と砂利のでこぼこした道があり、そこで遊んでいた思い出があります。

 近所の線路沿いの土と砂利の道は幼い私にとって毎日の遊び場で赤や黄色の電車を眺める場所でもありました。

 そんな道がある日突然アスファルト舗装されると、便利になるなぁと思いながらも、今までとは違う場所を歩いているような違和感を感じたことを覚えています。また、舗装されるといつの間にか、200メートルほどのこの道が何年もの間、放置自転車で埋もれたこともありました。

 今でも時々その道をゆっくり歩くと、舗装される前の道が白黒写真のイメージとなって頭の中に出てくることがあります。

 最近では道で遊ぶ子どもの姿をあまり見かけないように思います。公園が増えたからか、車の危険性が高くなったからか、あるいは屋内で遊ぶ傾向があるからなのでしょうか。マナーとして道で遊ぶ時代ではないということもあるかと思います。

 自転車や車に乗っている立場からすれば、道で遊んでいる子どもたちがいると危険を感じますが、いなければ安心できるものです。

 当時の大人たちの邪魔になりながら楽しんで遊んでいた道ですが、私の遠い思い出が強く記憶として残っているのは、今では見かけなくなりつつあるあの土と砂利の道おかげなのかもしれません。