ココロの出会い ~世界を旅して 第9回 vol.9 主われを愛す  ~ブラジル~

森祐理
福音歌手

1908年に日本人が笠戸丸に乗って神戸港を出港してから、2008年でちょうど百年。その年の夏、ブラジル・キリスト教連盟の招聘で、「日本移民百周年記念コンサートツアー」をしました。ブラジルは、1999年以来2度目。この時はブラジル全土10か所でのコンサートでしたが、面積は日本の23倍あり、移動距離は半端ではありません。南の街では寒くて雪が降っていたかと思うと、北のアマゾンは常夏の暑さ。アフリカ系の黒人ばかりが住む町や、スペイン移民の町でユネスコの世界遺産になった地域もあり、なんだか10か国回ったような旅でした。
そんな中、ブラジル北東部サルバドールでコンサートをしたときのこと。ある方が老婦人の乗った車椅子を押して会場に来られました。「ご病気の方ですが、前で聴かせていただいても良いですか」との言葉にどうぞ、と快く答えましたが、いざ始まってみると、客席の一番前でポカーンと上を向いているおばあさんの存在はかなり気になってしまいました。何を歌ってもまるで聴こえない様子。気にしないで歌おうと、諦めかけたコンサートの中盤。ある曲を歌い出したとたん、突然おばあさんがこちらを向かれたのです。
目に生気が宿ってこられ、なんと細い声で歌い出されました。「しゅーわーれーをあーいーす~♪」その歌声に、周りにいた方々もびっくり。私も思わず舞台から降りておばあさんの手を取り一緒に歌いました。おばあさんの目には涙が浮かんでいて、私たちも涙があふれました。後でうかがうと、その方は日本移民で最初に教会を建てられた女性牧師さんでした。たとえ病気であっても賛美は魂に刻まれている、それを目の当たりにできた体験でした。
ブラジルにはご高齢の日系人が多くおられます。その方々にこのおばあさんが持つような永遠のいのちの希望を届けたい、そんな願いと共にこの夏3度目のブラジルツアーに向かいます。

<編集者より>
久しぶりに地元・福島県郡山で途中下車。いろいろ心配していたけれど、行ってしまえば楽しい~!!! この季節は緑がきれい。でも、街全体が建物のひびや地盤沈下など、報道されないたくさんの小さな傷で傷ついていました。滞在中もまだ余震があって……。心配だけど、やっぱり地元はイイ!(永倉)

医療の最前線で活躍する、ある心臓外科医の講演に参加しました。そこでは、心臓や関節を例に、人体が非常に精巧に造られていて、段階的な進化などは全く考えられないという説得力ある解説とともに、進化論は「新興宗教を信じるようなもの」と力強く語られ、大いに励まされました。(加藤)