主のみわざに自分を差し出す

相山 扶(日本福音キリスト教会連合 八重山福音光る海教会牧師)


 私たちキリスト信仰者は、父なる神の一方的な、先行的な恵みによって救われました。人となられた神の御子の十字架の死によって罪の赦しが差し出され、その身代わりの処罰を自分のためであったと受け入れたのが私たちキリスト信仰者です。主イエスを自分の救い主と信じ、自分の罪を認めて悔い改め、罪の赦しを受け取っただけで、神の子どもとなる特権が与えられ、永遠のいのちに生きる者となり、新しい天と新しい地を待ち望みながら地上の生涯を、主にあって、主と共に、主のために歩んでいます。
 私たちの地上の生涯はキリストの証人となる歩みです。そのために助け主の聖霊が心に遣わされています。私たちは神の子どもですが、高慢にならずに、へりくだって主の証人としてふさわしい歩みができるように、主のしもべとしての立場も与えられました。
 ルカの福音書17章10節で主イエスは、「信仰を増し加えてください」とお願いした使徒たちに言われました。「あなたがたも、自分に命じられたことをすべて行ったら、『私たちは取るに足りないしもべです。なすべきことをしただけです』と言いなさい」
 私たちが福音を伝えるのは、主にその使命をゆだねられたからです。その使命を忠実に果たすことができるように、助け主の聖霊が与えられています。私たち一人一人の存在を用いて、主がみわざを行われます。私たちがすることは、自分を差し出すだけです。私は主のしもべです。あなたのおことばどおり、この身になりますようにと、自分を明け渡すことです。どのようなみわざに用いられるかは、ご主人が決めるのです。
 東京・府中市での開拓伝道に導かれた時も、現在の沖縄県石垣島での教会再生、再開拓に導かれた時も、示された使命が本当に主からのものかどうかを、「3年以内に後任牧師が与えられること」を仕えていた教会のメンバーに祈ってもらうことで確認しました。その祈りに主が応えてくださったので、私は新しい主のみわざに自分を差し出しました。
 私たちは一人一人、創造者である神に造られた、唯一無二の存在です。能力も性格も嗜好も生活スタイルもみな違います。互いを比べ、優劣をつけてはなりません。「行け、あなたのその力で」とギデオンを召された主は、あなたを、私を「あなたのその力で」と召しておられます。私が置かれている状況には、私にしか主イエスを伝えることができない人々がいます。キリストの香りを放つとき、それは死から出て死に至らせる香りとなり、いのちから出ていのちに至らせる香りともなります。自分の、その力でキリストを証しするということです。主に期待して、主のみわざに用いられることを祈って、自分を差し出すのです。主が私を通して最善をなさいます。そうして「主人の喜びをともに喜んでくれ」とのおことばを愛するご主人からお聞きしたいのです。