EHCザンビア 福音のすばらしさの再発見

EHCザンビア 福音のすばらしさの再発見

◆海外からの文書伝道レポートを紹介します
 
 EHC国際本部の次期総裁タナー・ピーク氏より、ザンビアのグウェンベ・バレーという地域での証しが届きましたので、紹介します。

 数十年前、アフリカでは電力供給のための大規模なダム建設により、川沿いの肥沃な土地から移住を強いられた人々がいました。ザンビアのグウェンベという乾燥した地域に移り住んだトンガ族の人々もそうです。
 私、タナー・ピークはこれまでにもグウェンベ・バレーを訪れたことがあります。しかし今回の旅では、私はある問いの答えを見いだそうとしていました。その問いとは「福音はこのような場所にも、本当に希望を与えることができるのか? 」というものです。
 現地の宣教の様子を聞けば、その答えは「はい」ですが、どのように希望を与えているのかを見いだしたかったのです。

EHCザンビアのミニストリーディレクター、アルバート

 私が到着する 2 週間前のことです。この地区のEHCのボランティアの人たちが、福音を携えて小さな村を訪ねました。数人の住民にイエス様について話したところ、とてもよい反応がありました。地元の首長の許可を得て、その村には小さなクリスチャンのグループが結成されました。
 私はザンビア全土のディレクターであるアルバートと一緒に、その村を訪問しました。私は明らかに「よそ者」で、別世界に足を踏み入れたような感覚になりました。そして、「ここでは誰もが生きるために必死で、そのために一つになっている」、また、「この地域では苦しみがあるのは当たり前で、皆が希望を求めてうめいている」と感じました。「福音は彼らに希望を与えるのだろうか」という私の懸念は杞憂だとわかりました。
 木々の間を歩いていると、木陰に1人の男性が座っているのが見えました。彼は眠っていましたが、私たちが近づくと目を開きました。アルバートは彼に温かくほほえみかけて挨拶をしました。これまでアルバートは同じような村を無数に訪れ、何千人もの村人と話をしてきています。一方、私は声をかけた相手がどのように反応するのか想像がつきません。「彼は私たちが言ったことを拒否するだろうか?」「私たちは彼にとってあまりに宗教的に見えるだろうか?」などと、男性がどう反応するか様々な考えが頭をよぎりました。

魂の価値

 男性はメックという名前でした。メックの服はぼろぼろで、履いている靴は穴だらけでした。彼は私たちに隣に座るように誘いました。アルバートが現地語でメックと会話をしており、私は話の内容が理解できないため、2人の表情を観察していました。すべての人の魂に価値があることを語るアルバートの表情には、強さと、うそや偽りのない優しさが満ちていました。アルバートは小冊子を手にし、神様にとってどのように一人一人が大切な存在なのか、キリストの愛を説明しながらそこに記されたことばを指さしました。
 メックは真剣に耳を傾けて、アルバートの話に心を奪われていました。しばらくして、メックの頬に涙が伝うのが見えました。私はアルバートの話に割り込んで何が起こっているのかを尋ねると、メックがイエス様について知りたがっていると教えてくれました。メックは、自分の魂の価値を知りたいと求めていたのです。
 アルバートとメックの間に議論はありませんでした。ここには教会もなく有名な説教者もおらず、招きの時もありません。照明も何かしらの仕掛けの用意もありません。ただこの瞬間、この地域に住む人から人へ福音が分かち合われ、その良い知らせの希望を受け取る準備ができている魂だけがありました。
 私は、「良い知らせは、良い知らせである」という事実を目の当たりにしました。メックの流した涙と、魂にあふれた希望に、そのすばらしさを見いだしました。

ザンビアの人々は、福音の良い知らせに希望を見いだしています

 今日、世界中でEHCチームがメックのような人たちに出会っています。良い知らせである福音は、私たちの魂を希望で満たしてくれます。
 皆様のお祈りと助けによって、EHCはこの良い知らせの希望を人から人へと届けています。そして、地球上のどこにいても、グウェンベ・バレーのような見過ごされがちな場所であっても、すべての人がイエス様に出会う機会が与えられています。皆様のサポートを心より感謝します。
        (国際EHCニュースレター2022年8月号より)