EHCカンボジアの証し ―教会の復活―


―カンボジア―
人口:1,600万人、首都:プノンペン。世界最大の仏教人口を擁する国。かつて、急進的な共産主義を掲げる政治勢力「クメール・ルージュ」により、推定で300万人近くが虐殺されたといわれる。現在のEHCカンボジアディレクターのヘン・チェン氏は、47名の家族のうち41名が1975年から1978年に殺されている。

ヘン・チェンの証し

 1970年代半ば。ヘン・チェンが学生の時、クメール・ルージュがプノンペンを侵略。彼は目立たないよう生活し続けました。もし捕まれば尋問され、殺されるとわかっていたからです。働くためにほかの青年たちと共に集団農場に移りましたが、餓死する寸前でした。
 1976年10月16日、彼はクメール・ルージュに捕まりました。真夜中に連れ出されて車に乗せられました。その途上、彼は人生について真剣に考えました。家族がクリスチャンだったので、死が差し迫る中で神に祈りました。「主よ。家族はあなたを礼拝しています。私はあなたに心を向けて願います。どうか、奇跡を起こしてこの場から解放してください。そうしたら、あなたに私の一生をささげます」。その時、奇跡が起きました。メコン川のほとりで、彼は解放されたのです。それで、彼は川を泳いでベトナムに渡ったのです。
 ベトナムに逃げたことは、彼の人生に大きな意味がありました。クメール・ルージュが退陣した1979年、彼はカンボジアに一時帰国しましたが、再びベトナムに戻り、サイゴンの町で、キリストに立ち返ったのです。それから、カンボジア難民とベトナムの人々のために、牧師として働き始めました。1983年、カンボジアに帰国し、ひそかに集会をする母国のクリスチャンたちの小さな群れを励ます働きに就きました。
 クメール・ルージュにより、カンボジアの教会は建物、また人々とも壊滅的な状態でした。1万人から2万人いたクリスチャンたちは、大虐殺のあと、200人以下になっていました。彼は残された人たちを集め、集会を始めました。「当時、私たちには何も残っていませんでした。賛美歌集も、聖書も。しかし心に残っていた神様のみことばによって励ましを受けました。そして、人々が変えられ、神の栄光が現れるために、私たちが用いられますようにと祈ったのです」。
 クメール・ルージュに代わった政権もまた、クリスチャンに対して敵対的でした。数少ないクリスチャンは政府から迫害を受け、1980年代は牧師が殺されたり、信徒は地方に追放されたりしました。1993年になって王政が復活し、自由に礼拝できるようになったのです。

 カンボジアの教会のストーリーは、復活のストーリーです。クメール・ルージュにより灰のようになった状態から、残された一握りのクリスチャンの集まりが10年以上にわたって続けられ、今、50万近くの人がクリスチャンとなっているのです。
 1994年にEHCが置かれ、ポーレック氏が最初のディレクターとなりました。彼はポル・ポトの「キリング・フィールド」(虐殺が行われた現場)を生き延びた人です。2006年にヘン・チェンが2人目のディレクターとなりました。

ヘン・チェンが軍のメンバーにバプテスマをさずける
 1975年から1978年にかけて、一つの学校が、クメール・ルージュ時代の悪名高い虐殺刑務所となりました。ヘン・チェンの兄は福音派の伝道師で、そこで虐殺されました。現在もその場所が残されています。
 EHCはおもに首都プノンペンで働きをしています。ヘン・チェンはEHCのディレクターだけでなく、カンボジアにある福音派の教会のリーダーもしています。また、プノンペンで政府に宗教上の政策をアドバイスしたり、軍の指導者たちに説教をしたりしています。「当時若かった指導者たちはみな、クメール・ルージュにより殺されました。そして、今の若い世代はクメール・ルージュの時代を知りません。当時のことを知っていることは大切です」とヘン・チェンは語ります。彼の現在のビジョンは2021年までに、カンボジア全土のあらゆる村にイエス様の弟子グループが形成されることです。

 2012年のことです。「ドッチ」と呼ばれるクメール・ルージュの時代の指導者が無期懲役となりました。彼は、他のクメール・ルージュ時代の指導者とは違い、自らの罪を認めました。彼は刑務所に行く途中、涙ながらに訴えたそうです。「赦してください。あなたたちが私を赦せないことはわかっています。しかしできるなら、希望を与えてください」と。そして、彼は刑務所でクリスチャンになりました。ヘン・チェンは刑務所に訪問し、聖書を渡して、励ましました。ヘン・チェンはこう語ります。「福音は、非常な殺人を犯した人さえも、変えることができるのです」

祈りのリクエスト

1. カンボジア全土でトラクトを配布するEHCの開拓宣教者たちのために。

2. 新しい世代のクリスチャン・リーダーが国の中で起こされますように。

3. ひそかに礼拝を守っているクリスチャンのために。クリスチャンになった人たちは独特な試練に直面します。信仰について公然と話すと、コミュニティーから追い出されてしまうのです。多くの人が親戚や友人にクリスチャンになってほしいと願っていますが、どのようにして信仰を証しし、コミュニティーで仕えていくか、知恵を必要としています。

福音トラクトをクライスト・グループ(求道者・決心者の集まり)へ
国家祈祷日のようす

(EHCアジアカンファレンスレポートより)