志を立てさせてくださる方

伊東道夫( JECA 花の木キリスト教会牧師 )

 私が初めてキリスト教に接したのは、1964年5月に、古田吉光牧師とTEAMの宣教師であったドナルド・ウォルター宣教師との協力によって、辻堂東海岸で教会の開拓が始まった時でした。

 当時、私は心の病を患い、家に閉じこもるような生活をしていました。そんな時、民家を借りて、数人の方たちが集まっている開拓教会に導かれ、何回か通ううちに、神と人とに対して自己中心的に歩んできた自らの罪に気づかされました。

 家に帰ってからも、そんな私のために、十字架で身代わりに死なれたキリストの愛が頭から離れず、思い出せる限りの罪を悔い改め、涙ながらにイエス・キリストを信じる信仰に導かれました。それまでは、自らの罪のために、何のために生きるのかも、死んだらどうなるかもわからない者でしたが、生きる目的を与えられ、心にはことばで言い表すことのできない平安と感謝が与えられ、新しく人生を歩み始めることができたのです。

 もし、この時の開拓伝道がなかったら、私の救いも、今の幸いなクリスチャンホームもなかったことでしょう。その教会で救いにあずかった方たちによって始まった、その後の宣教の働きもなかったかもしれません。主の働きは、最初はどんなに小さくても、神様の大きなご計画の一部であることに気づかされました。

 神様は、キリストの福音によって救いにあずかった者たちに、さらに福音を必要としている多くの方々に伝えていく使命を与えられます。福音を伝える働きはクリスチャンにしかできない働きだからです。また、神様は、すべての人が救われて、真理を知るようになるのを望んでいらっしゃるからです。

 37年前、藤沢市の西部開発ということで、かつて畑と荒れ地と山林であった所が、見る見るうちに大きなベッドタウンに変容していった頃のことを思い出します。この新しい団地に教会が1つもないことを知って、公園にゴザを敷いて、野外子ども会を行いました。雨の日は傘を差して集まっていました。そうして始まったのが湘南ライフタウンキリスト教会(JECA/日本福音キリスト教会連合)でした。神様は、小さな群れを祝福してくださいました。

 その教会が開拓20周年を迎えた頃、何か、神様のみこころがあるように思えて祈り始めました。

 そして新年の休暇の時に、神様から1つのことを示されました。それは、マルコの福音書1章38節のみことばです。「さあ、近くにある別の町や村へ行こう。わたしはそこでも福音を伝えよう。そのために、わたしは出て来たのだから」

 神様は、教会が教会を生み出していくために、私たちが、信仰をもって一歩踏み出すかどうかを待っていらっしゃるようでした。こうして、現在、私が奉仕させていただいている花の木キリスト教会が始まったのです。

「神はみこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行わせてくださる方です」(ピリピ2:13)