諸教会の宣教を支える道具として

平素より、いのちのことば社の文書伝道を中心とした宣教活動のためにお祈りとご支援をいただき、心より感謝申し上げます。退任した岩本信一前社長に代わり、4月より、いのちのことば社伝道グループの責任を担うこととなりました峯島平康と申します。
2025年度、創立75年という節目の年にご報告することとなった元職員による重大な会計不祥事は、長年にわたり当社の働きのために祈り、支えてくださった諸教会・諸団体の皆様からの信頼を損なうものであり、また、忠実に働いてきた大切なスタッフの心を深く傷つける出来事でした。主の御前に、心より深くお詫び申し上げます。
私たちは今後、この危機を真摯に受け止め、悔い改めと信頼回復への取り組みを最重要課題として歩んでまいります。
理事会と役員会の主導のもと、公的機関や外部専門家と連携した真相解明、再発防止策の徹底、社内監査制度の構築、そして組織風土の検証と必要な変革を行います。透明性の高い報告を行い、社の再建の取り組みに注力してまいります。どうぞ皆様のお祈りの一端に加えていただけましたら幸いです。
さて、いのちのことば社は戦後まもない1950年に、国際的な宣教団であるTEAMの文書伝道部門として創設されました。当時、日本は世界的に見ても識字率が非常に高く、そこに着目した宣教師たちが、日本人の心に福音を届けるためには、文字を用いる伝道が最も効果的であろうと考え、文書頒布による福音宣教という方策を選択しました。創立当初は、伝道冊子やトラクトを自社の活版印刷機で印刷し、「福音車」と呼ばれる改造したリヤカーに伝道文書とオルガンを載せ、街頭で賛美をし、路傍伝道をしながら頒布活動を行いました。これが私たちの活動の原点です。
当時から時代は大きく変わり、人々の情報を得る手段の変化と出版業界の構造的な不況により、従来の主要メディアであった雑誌、新聞、書籍等の紙媒体と、音楽・映像ソフト、グッズ等の流通・販売による福音伝達の方法は、毎年、減少傾向をたどっています。このような状況の中、従来の働きを基盤としながら、私たちは将来に向けてどのように新たな宣教方策を展開していくべきなのか、大きな岐路に立たされています。
5月号の巻頭言で、当社理事であり日本同盟基督教団の牧師である神尾鋼行師が、宣教の働きのルーツであるフレデリック・フランソン師の精神について語ってくださいましたが、宣教団TEAMを同じルーツとする私たちいのちのことば社にとってもこのフランソン師の精神は共通するものです。創設者であった初代責任者のケネス・マクビーティ宣教師も、この福音宣教のために犠牲を惜しまない情熱と開拓の精神を受け継ぎながら、当時、日本の人々から大きなニーズのあった出版の働き(文書伝道)を中心としつつ、時代に適した新たな宣教分野を次々と果敢に切り開き、福音を宣べ伝えてまいりました。
私たちもこの宣教のDNAを受け継ぐ者として、キリストの身体なる諸教会、同労の宣教団体と幅広く協力しながら、この時代に最も適した形での宣教方策を見出し、それを磨き、変わらぬ使命を力強く果たし続けていきたいと祈り願っています。
「いのちのことばをしっかり握り、彼らの間で世の光として輝くためです」(ピリピ2:16)