ウクライナでリバイバルの夢を実現する
◆海外からの文書伝道レポートを紹介します
「さらに大きなリバイバルがやって来る」
2018年にEHCが掲載した記事の中で、ウクライナ東部の牧師ペテロ・ドゥドニク氏は、このように語りました。当時、ドゥドニク牧師はEHCと緊密に協力し、政治的・宗教的に複雑な対立によって分断されたウクライナに、キリストの福音を届ける働きを続けていました。福音派教会への理解と受け入れが少しずつ広がる中、彼をはじめ多くのウクライナのクリスチャンたちは、大きな希望をもって未来を見つめていました。
しかし2022年2月、その希望に大きな試練が訪れます。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まったのです。
世界中の人々は、衝撃と深い悲しみをもってその光景を見守りました。爆撃で破壊された集合住宅、銃弾の跡が無数に残る車―その痛ましい映像が連日のように報じられました。
戦争開始後にEHCの働きに加わり、現在はウクライナ国内にある二つの事務所の一つを率いるヤロスワフ・ルカシク氏は、当時を次のように振り返ります。
「戦争とは、悪が凝縮されたものです。利己心、攻撃性、傲慢、そしてあらゆる罪がそこに現れます。ですから戦争は、すべてを変えてしまうほど激しい霊的な状況なのです」
しかし、そのような危機の中でも、EHCはルーマニア、ポーランド、スロバキア、ブルガリアの教会やクリスチャンたちと連携し、避難民の受け入れや戦禍にある地域への救援活動を組織的に進めました。
バルカン地域のEHCエリアディレクターとして、地域全体の緊急支援を調整したパベル・ヴァルコフ氏は、当時をこう振り返ります。
「クリスチャンたちは国境でウクライナから逃れてきた人々を迎えました。そして、『あそこに教会があります。そこへ行けば泊まることができ、食事もできます。助けてもらえますよ』と案内していたのです」
各地の教会は避難所へと姿を変えました。クリスチャンたちは時間も労力も惜しまず、避難民が仕事を見つけ、子どもの預け先を確保し、安心して暮らせる住まいを得られるよう寄り添いました。
支援は、必要を上回るほど寄せられました。EHC西ヨーロッパ・エリアディレクターのステファン・ヴディク氏は、こう語ります。
「フェイスブックで『予備のマットレスが必要です』と投稿すると、必要以上に集まり、『もう十分です』とお願いしなければならないほどでした」
スロバキアでEHCユーラシア地域オペレーション・ディレクターを務めるズザンナ・マルフォルディオヴァ氏も、自宅を開放した一人です。彼女は、この経験が自分自身をどのように変えたのか、そして戦争開始から現在に至るまで、多くのクリスチャンが支援を続けている理由について、次のように語ります。
「今も支援を続けている人たちは、心も家も人々のために開いてきた人たちです。戦争の影響を受けた一人ひとりの人生に深く関わる中で、その人たちの痛みや傷を自分のことのように感じるようになります。もはや彼らは『どこか遠くの見知らぬ人』ではありません。私たちの家に滞在していた一家とも、今でも連絡を取り合っています。彼らは私たちの大切な仲間です。そして、大切な仲間になれば、その人たちの物語は自分自身の物語になるのです」
教派や国籍、地域の違いを超え、多くの若いクリスチャンたちが一つとなって、今日も隣人にキリストを伝えるために仕えています。その姿は、困難のただ中にあっても、神が教会を一つにし、福音のために用いておられることを力強く物語っています。
ルカシク氏とそのチームは、人道支援団体やウクライナの主要なプロテスタント教派の青年部門、さらに複数の従軍牧会(チャプレン)団体と協力し、最前線で仕えるクリスチャンたちを支え、必要な備えを提供しています。
「ウクライナ・オール・クリスチャン・ムーブメント(All Christian Movement in Ukraine)」と名付けられたこの働きは、教派や伝統を超えて、すべてのクリスチャンが協力することを目指す取り組みです。
「私たちは、ウクライナにあるすべての教派が一つに集うフォーラムを開催する準備を進めています。各教派の指導者たちと、社会のさまざまな分野で福音宣教に取り組んでいる人々が集まるのです。決して簡単なことではありません。しかし、神の恵みによって必ず実現すると信じています」
戦争という非常事態の中で生まれた教派を超えた協力関係は、今も発展を続けています。地域社会にあふれる慰めと支援への大きな必要を前に、カトリック教会や正教会の指導者たちも、EHCが提供する伝道用・祈り用の資料を積極的に用いるようになりました。
こうした聖書に基づく資料は、危機の中で示されたキリストの愛に心を動かされ、人生の重荷や問いを抱えて教会を訪れる人々に、聖書からの希望を届けています。その結果、かつて大きな隔たりであった教派間の違いは、以前ほど重要なものではなくなりつつあります。そして、この協力は着実に実を結び始めています。ルカシク氏は、その実りを示す一つの証しを紹介します。
最前線近くに住む一人の男性は、生きる意味を失い、自らいのちを絶とうと考えていました。
その男性がたどり着いたのは、EHCから伝道文書や福音資料の提供を受けている正教会でした。
「戦争によって、私たちはこれまで以上に一つに結ばれました。情報やプロジェクト、そして何より福音を伝えるための資料を、これまで以上に分かち合うようになったのです」
男性は教会で一冊の冊子を手に取り、そこに記されていた祈りや聖書のことばを読み始め、何日もその冊子を読み続けました。
やがて礼拝にも出席するようになり、今では教会の一員となっています。
ウクライナからの避難民と、自宅を開いて迎え入れたクリスチャンとの間に深い絆が生まれたように、「共に歩んだ物語」には、人々の心に共感を育み、隔たりを取り除き、新たな協力を生み出す力があります。
そして、その一致と協力こそが、リバイバルを生み出す土壌となります。教会同士の新たな協力は創造性を生み、新しい伝道の方法を生み出します。それは、キリストの愛をさらに遠くへ、さらに速く届けるためです。
信じる者たちが示し続ける共感と思いやり、そして国境や教派、文化の壁を越えて注がれる愛は、今もなお、キリストの心を映し出す輝かしい証しとなっています。
