初めて教会に行ったら…⑧
福音点字情報センター協力委員 矢板ホーリネス教会牧師
田中敏信
点字の賛美歌?
礼拝に初めて目の見えない人が来られたら、聖書と同じように点字の賛美歌も必要でしょうね。教団や教派で異なる賛美歌も、各種出版されています。それで、その点字の賛美歌ですが、中身は歌詞だけです。楽譜は別売りだったり、ボランティアの方が提供してくださるものがあったりしますが、出版されていないものもあります。「えっ、楽譜はついていないんですか?」そう思いますよね。なぜついていないかというと、それにはこんな事情もあります。目の見える皆さんでしたら、楽譜とその下の歌詞を同時に見ながら歌えます。でも点字は1本の指で1文字か2文字ずつ。歌詞と楽譜が上下に並べられていても、両方を同時に触るのは無理です。
「じゃあ、どのようにして賛美歌を歌うんですか?」 そう思いますよね。私は、ひたすらメロディーを覚えます。私は中学1年生で失明して、それから点字を覚えました。楽譜の読み方も教えていただきましたが、日本語の読み書きで手いっぱいで、楽譜は読めるようになりませんでした。それで、曲をひたすら聴いて覚えます。初めて歌う賛美歌は、点字の歌詞を触りながら、1節は聴いています。2節は聴きながら小さな声で歌い、3、4節でどうにか歌えるようになる…でしょうか。
洗礼を受けた翌年のクリスマス。聖歌隊に入っていたのですが、特別賛美でハレルヤコーラスを歌うことになりました。指揮担当の青年に、私が加わっているテノールのパートを歌ってもらい録音しました。これを何度も聴いて練習。怪しげな点字のメモも作りました。「ハーーレルッヤーッ…」と。楽しいクリスマスでした。
そこで結論。いつものように、その目の見えない人と相談してみてください。無理なことは無理です。でも、できることを集めれば、どうにかなります。
「ハレルヤ。神の聖所で 神をほめたたえよ」(詩篇150:1)
点字図書、図書データ(BES版)案内
結城いづみ 著
体の衰え、物忘れ…。思うに任せない日々の暮らしに老いを実感しつつ、生活の中に知恵と喜びと慰めを見いだしていく著者のほがらかエッセイ。「百万人の福音」の好評連載に大幅加筆。80歳を過ぎて出会った親友・唄野絢子氏特別寄稿も収録。
点字版 全1巻 1,300円(BESデータ版あり)/墨字版 1,430円(税込)
決算報告 2024年7月1日~2025年6月30日
| 献金 | 2,327,062 |
|---|---|
| 点字文書頒布収入 | 302,173 |
| 合計 | 2,629,235 |
| 印刷費 | 344,249 |
|---|---|
| 頒布活動費 | 1,959,307 |
| 事務局費 | 130,998 |
| 合計 | 2,434,554 |
| 次期繰越 | 194,681 |