生まれ故郷で種蒔きをさせていただいた恵み

信愛キリスト教会
 (愛知県豊川市)

 



                     牧師 伊東勝哉                 

 

 


                 
                 
 オイコス計画に参加してから、初回の3500部に続き、2度目となる3000部のトラクトを
送っていただき、教会案内にトラクトを挟んでポスティング配布を行った。
 教会全体としての配布は、夏季は熱中症防止のため一時休止となったが、その間も
皆さんに祈っていただきながら少しずつ、できるだけ毎週曜日を決めて、主に私個人
で行わせていただいた。

 今回配布した地域の一つは、私が生まれ育った町(愛知県豊川市牛久保町)だった。
その町は、天下の奇祭と呼ばれる「うなごうじ祭り」が春に開催され、昔からの住民
たちは皆、そのお祭りにかける情熱がとても大きい(コロナ禍は中止しているが)。
 高校生の頃には、当然、私にも祭りの一員に加わらないかとよく勧誘が来て断るのに
苦労した。
そんな地域に祈りながらポスティングをさせていただいた。

 ある日、偶然、小中高と同じ学校に通った友人が彼の新居の庭にたまたまいて、
ポストへ入れようとした際に目が合ってお互い「おぉ!」と話ができた。すごい
タイミングだった。
 「どうしたの?」と聞かれ、「キリスト教会の案内だよ」と伝えると、
「あぁ、知ってるよ。いつかお前がキリスト教会で働いてるって名簿で見たよ」
と言ってくれた。(高校の同窓会の取りまとめ役をした彼が、私が牧師をしている
ことを名簿を通して知っていた)

 彼は今、地域の開業医をしている。
難病を患う教会員の家族がしばらく前に彼にお世話になり、「〇〇先生は本当に親切で
優しく接してくださったのよ」と聞いていたので、その事をその場で彼に伝えた。
 「あぁ、○○さん。今もお元気だと聞けて嬉しいよ」とニコっと笑った彼に、じゃあ、
と教会案内とトラクトを渡すことができた。

 後日、この地域に住んでいる幼馴染からのメールで、「知らずに病院に行ったら彼が
主治医でびっくりしたよ。疲れている様子だったけど…」と。
 今度、自分が病にかかったら彼に診てもらおうと思う。
そして、いつの日か、
「すべて疲れた人、重荷を負っている人はわたしのもとに来なさい。わたしがあなたがたを
休ませてあげます。」(マタイ11:28)

と言われる魂の医者イエス様に彼が出会えることを祈ろうと思う。
 自分の足で、汗を流しながら地域に出て行ってみるといろんなことを感じ、考えさせられる。
そして思わぬ出会いに遭遇する。
生まれ育った町にトラクトを配り終えて一番に思わされたことは、もともと我が家も同じ、
まことの神に対する霊の目が覆われていた偶像礼拝の家だったんだなと。
 それなのに、祖母の生死と向き合わされ失望の中にいた母が、ラジオ伝道を通して福音を聴き、
キリスト教会に導かれ、救われたのは奇跡でありなんという恵みなのだと。
 そんな地域から“憐みの器”として救われて今がある私たち家族。主への感謝は溢れるばかり。
今回、故郷に蒔かれた種がどこかで芽を出し始めていることを信じて、イエス様の御霊に導かれ、
次の町へまた出かけて行きたいと祈らされる。