今年で誕生55周年 『聖書 新改訳』の魅力を語る

『聖書 新改訳』は、1970年の第1版刊行から今年で55周年を迎えます。その理念に基づいた翻訳文が愛され、多くの教会で使われています。ここでは、日々本書を使っている方々の感想をお届けします。

高校生伝道での霊的糧として

中村克哉

いのちのことば社出版の『高校生の居場所の作り方』(中尾祐子著、2015年)の90頁に、インタビューという形で答えさせていただきましたが、私がhi-b.a.(高校生聖書伝道協会)のスタッフとして高校生伝道に携わっていた時、ディボーションの恵みを伝えることは、大切にしていた働きの一つです。
「No Bible, no breakfast(朝ごはんの前に聖書を)」と宣教師から伝えられてきました。みことばの全部を覚えて行えなくても、きょう与えられた霊的な糧を受けて生きる、という毎日の積み重ねが、「みことばに生きる」ことにつながると確信していたからです。
その働きの中で、宗教改革から500年の2017年に、『聖書 新改訳』がリニューアルされたことは大変喜ばしいことでした。hi-b.a.においても、現在牧師として仕えている教会においても、『聖書 新改訳2017』を使用し、新たな発見を受けています。
(日本長老教会 希望キリスト教会牧師)

みことばを歌う時に

宮脇栄子

私は楽曲制作をする時、ピアノの譜面台に聖書を置いています。幼い頃から使ってきたこの『聖書 新改訳』をもとに、たくさんの賛美が生まれてきました。心に響くみことばに曲をつけたり、聖書のある物語から浮かんでくる情景を歌詞にしたり、みことばからなぐさめられ、教えられた経験を歌詞にしたり。他の訳も味わいがあって好きですが、新改訳は特にわかりやすい言葉で心にスっと入ってくるので、いつも傍らにあります。
LYREのコンサートでみことばの曲を歌う時、神様の語りかけが迫ってきて思わず涙が込み上げてきたことが何回もありました。不自然さを感じない素晴らしい訳のおかげで、聖書の言葉を自分の信仰告白として心から歌えることは大きな喜びです。
(賛美グループLYREメンバー)

教会学校教案誌「成長」の働きで

中台孝雄

2017年9月、いのちのことば社の理事会終了後に、出来上がったばかりの『聖書 新改訳2017』(以下「2017」)が印刷所から届きました。故・吉持章理事長(当時)がその場で聖書に手を置いて、感謝の祈りをなさいました。「2017」の完成に立ち会うことのできた幸いな瞬間でした。
「やがて多くの方々が、聖書を『2017』で親しむようになる。特に次世代の者たちが読み進める聖書となる。」そう感じながら、自分の高校時代に出版された「新改訳聖書・新約」(旧約完成は数年後)を初めて手にした時の感動を思い出しました。
現在、教案誌「成長」は「2017」をベースに作成されています。多くの教会で子どもたちは「2017」を通して神のことばに触れ、聖句を覚えています。教師・大人にとっては新しい翻訳で聖句を覚え直すことには苦労が伴いますが、「2017」が人生最初の聖書となる世代は、このわかりやすく、格調高い翻訳を通して、素直にみことばを吸収し、神の国の一員として成長していくことでしょう。
(「成長」編集長)

※月刊「いのちのことば」10月号より転載