伝統? それともテクノロジー?
EHCがどのようにユーラシアにキリストを運んでいるのか
◆海外からの文書伝道レポートを紹介します
ユーラシア大陸は今日、EHCの働きにとって最も複雑な地域の一つであると言えるでしょう。そこに暮らす人々は、言語、文化、経済的背景、歴史、政治、宗教、民族など、あらゆる面で驚くほどの多様性を持っています。
この広大な地域には、福音が完全に閉ざされ、従来の宣教活動の一切を妨げる厳しい制限がある国々があります。その一方で、宗教の自由を享受しながらも、あらゆる霊的なものに冷ややかな態度をとる人々もいます。そこには世界の大国があり、戦争もあります。平和と安全を享受する人々もいれば、難民として故郷を追われた人々もいます。古代から続く宗教的伝統もあれば、新しい世代が直面する現代的な問題もあります。―そのすべてに共通するのは、「真の希望」を必要としているということです。
このような複雑で多様な状況の中にあって、EHCがキリストを運ぶことができるのは、日々のクリスチャンによる草の根のネットワークがあるからです。この地の複雑さに応えるために必要なのは、むしろシンプルな戦略です。すなわち、地元の教会を励まし、力づけ、彼らが自分たちの地域社会にキリストを届けるということです。地元のクリスチャン共同体こそ、自分たちの隣人を知り、その必要を理解し、最もふさわしい形でキリストの愛を伝えることができます。
こうしてユーラシアにおけるEHCの働きは、地域の必要の多様さに応じて実に多彩な形を取っています。皆様のご支援によって、ユーラシアのクリスチャンたちの手に、キリストを伝えるための資源がさらに届けられています。私たちは地元教会を信頼し、彼ら自身が地域社会を変える働きへと送り出しています。急速に変化する世界の中で、彼らは複雑な必要に応えるためにダイナミックに活動し、人々が変えられ、家族が回復し、地域社会が変革されるのを目の当たりにしています。
ユーラシアは、数えきれないほどの方法でキリストを必要としています。私たちは共に、その必要に応えることができます。あらゆる場所の、あらゆる世代の、あらゆる人のために。
EHC国際総裁 タナ―・ピーク
ユーラシアでキリストを届ける!
私たちはユーラシア大陸ディレクターのガブリエル・コスマリー氏に、EHCと共に働くことの意味について伺いました。彼はこう記しています。
「EHCは、家族を失った人にとっての新しい家族であり、同じ目標―すべての人にどこであってもキリストの愛を届けること―を中心に一つとなり、安らぎを見出せる場です。EHCは聖霊に自分をゆだね、助けを必要としている人々に希望をもたらす大きな群れなのです」
ガブリエルは2012年にEHCでの奉仕を始めました。母国スロバキアで、地元クリスチャンの証しを通して初めてイエスの愛を体験した彼は、人と人との関わりを通じた伝道の力を身をもって知っています。また、コミュニケーション学の学位とデジタルメディアにおける豊かな経験を持ち、複雑な問いが生まれ絶えず変化するテクノロジー社会において宣教を導く備えが十分に整えられています。現在はスロバキアを拠点に、ユーラシア全域31か国でのEHCの働きを指導しています。
病院での慰め(イタリア)
「がんとの歩みは複雑で、恐ろしく、予測不能です」と、シチリア島のチームは記します。彼らは小児腫瘍病棟で患者やその家族に仕えてきました。しかし、それを共に歩む仲間がいるとき、たましいは多くの苦しみを乗り越えることができます。訪問時には、おもちゃやチョコレート、塗り絵、子ども向けの福音文書を届けました。小さな贈り物が「嵐のただ中での笑顔」をもたらせるようにと祈っています。脊椎に腫瘍を抱える少年とその家族と出会い、祈りとみことばを分かち合いました。「がんという嵐のただ中に、救命ボートがあります。その救命ボートこそ、希望をもたらす福音なのです」
セルゲイを探し求めて(ロシア)
EHCチームは通りに出て、ホームレスや貧困に苦しむ隣人にイエスの愛を伝えています。ある日、ロシアのチームは杖をついた男性セルゲイに出会いました。彼に冊子を渡し、祈り、夕方の礼拝に招いたところ、彼は参加し、そこでイエスを受け入れました。礼拝後、教会員は彼を再び探し出し、新しい衣服を渡しました。セルゲイは笑顔を取り戻しました。通りで彼を見た友人たちは「何が起きたのか」と尋ね、彼はこう答えました。「教会に行ったんだ。そこで祈ってもらったら、神様が私を癒やしてくださったんだ」。すると友人たちも次の日に教会を訪れ、礼拝で応答したのです。
決して遅すぎない(スペイン)
ラ・リオハ州の牧師に「小冊子を受け取りました」と70代半ばの男性フアンから電話がありました。彼は質素で厳しい人生を歩み、「霊的な沈黙」の中で生きてきたことに気づいたのです。福音を聞いたフアンは教会に通い、やがてキリストに人生を捧げ、バプテスマを受けました。彼は「もし自分がこの冊子で神を知ることができたなら、他の人もできる」と語り、積極的に伝道しました。その後、がんの癒やしを経験し、余命を超えて2年以上生き、家族関係も回復しました。晩年には白血病を患いましたが、揺るがぬ信仰と平安を持ち続けました。「フアンの物語は、神が人生に働かれるのに『遅すぎる』ことは決してないことを示しています」
群衆を引き寄せたコンサート(ポーランド)
ポーランドのチームは市立文化センターでコンサートを開催し、400人以上が参加しました。中立的な場でのイベントは、人々にとって教会よりも参加しやすいものでした。「雰囲気はよく、押しつけがましくなく、天からの希望に満ちていました」
近隣へのアウトリーチからコンサート、病院での慰めに至るまで―ユーラシアのEHCの仲間たちは、力強い方法でキリストを運んでいます。
あなたも希望と愛と変革の物語の一部となることができます。もっと多くのボランティアを整え、イベントを開催し、ホームレスや病床にある人々に仕えるために、EHCのユーラシアでの働きをぜひご支援ください。
