連載 New Life, New Light 第6回 弱さの中で見えてきたもの

フォトグラファー
辻まき子

三重県在住。東京基督教大学卒業。photo studioハナレ所属。2016年からニューボーンフォトや家族やプロフィール撮影を中心に、その人らしい自然な姿を残せるよう心掛けて撮影しています。
Instagram@maccopiでは日常の写真をご覧いただけます。

 

どうして写真の仕事するようになったのか。これから3回にわたり、私の歩みを少しずつ綴ってみたいと思います。
私は、親の信仰により、祈られ生まれてきました。「私たちは主のもの 主の民 その牧場の羊」(詩篇100 篇3 節)。名前の由来でもあるこの言葉は、“ 私は神に守られ大切にされている” と思う心の土台のようなものです。
教会は、私にとって安心できる場所であり、礼拝に通うことは生活の一部でした。学生の頃は、教会で過ごす時間が何よりも楽しく、部活よりも礼拝を優先してしまうほど。
けれど、大人になり、心身の不調により教会と物理的に距離を置く時が数年続きました。しばらくは聖書を開けない、日曜日のたびに息苦しくなったのを覚えています。
「やりたいけど、できない」――その経験を通して、できない人の気持ちに初めて触れることができたかもしれません。今ふり返ると、この時間は失敗ではなく、むしろ私の信仰を深め、豊かにしてくれる必要な時間でした。
教会には、あらゆる状況の方々が神にあって招かれていること。どんなに立派に見える人も小さな子どもも、神の愛が必要な羊たちであると身をもって受け取ることができました。
そんな中、思いがけず写真の道へと導かれていきます。当時、事務の仕事をしていた私に「カメラ向いてそう」と声をかけてくれた先輩。アウトドアショップで撮影をするようになり、山が好きになった頃「カメラマンになったら?」と声をかけてくれた方が今のスタジオを紹介してくれました。そんな小さな声が繋がって、今、写真の仕事をしています。
「写真は、私にとって礼拝だった」――その気づきは、この道のりの続きにあります。その話は、また来月。