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クワイ河収容所の奇蹟 〜死の陰の谷を歩くことがあっても〜
レビュー(ビデオ評)
背景に流れるテーマ

コメンテーター 古川 第一郎
日本キリスト改革派 南越谷コイノニア教会 牧師

 敵を憎み復讐を誓うキャンベル、信仰と希望と愛によって打ち勝とうとするダスティ、そしてこの二人の間を迷うアーネスト。この3種類の人間が、日本軍の中にもいます。ナガトモは「当時の狂った日本人の象徴」(ナガトモ役ナカジマヒデオ氏のコメント)、イトウは「戦争を拒否し、人を大事にしたいと思いながら、そのことをおくびにも出さず、心を鬼にして抑制している、ある意味の犠牲者」(イトウ役木村栄氏)。そしてナガセ軍曹は、通訳をしながらも心を痛め、捕虜たちと友情を持って接します。そして今なお、償いを続けている実在の人物です。

 また、デビッド・L.カニンガム監督は、最後のアーネスト・ゴードン氏と永瀬隆氏の再会シーンを撮影するとき、永瀬氏の謝罪と感謝の姿を見て、「彼らほど温和で礼儀正しく、知性にとんだ国の人々が、なぜ残虐行為に及んだのか?歴史的な背景も含めて理解したかった」、「彼ら(日本兵)の内側にある葛藤も感じ取ってほしい」と言っています。


アーネスト・ゴードン氏と永瀬隆氏
 最後に、この映画のテーマを、製作・出演者のコメントからご紹介しましょう。
1.ゆるしと和解……
「人間の偉大さは、寛容と理解の心にある。それこそ自分も他人も引き上げることのできるものだ。ゆるすことの価値をこの映画は教えてくれる。」
(ヤンカー役キーファー・サザーランド)
「許しの心を持つことは、みんなできる。理不尽な仕打ちを受けたとしても、理解しゆるそうとすることは可能なはずだ。」
(ダスティ役マークス・トロング)
2.正義……
「イトウ軍曹とキャンベル少佐は、よく似ている。立場は逆だが、二人とも、正義を履き違えたまま信じてる。」
(キャンベル役ロバート・カーライル)
「アーネストがプラトンの話をする場面の台詞、『正義とは何か?』 今みんなが考えなければならないことだ。」
(ダスティ役マーク・ストロング)
3.希望……
「私たち人間の心は、悲惨な状況でも希望を見出す力を持っているのだ。」
(マクリーン中佐役ジェームス・コスモ)
4.和解の責任……
「みんながゴードンのように一歩を踏み出すことが大切だ。」
(カニンガム監督)
「日本政府が過ちを認めていないのは残念だ。でも戦後世代のわれわれにも、過去を受け止めた上でできることはあると思う。俳優活動を通して、できるだけのことをしたい。」
(ナガセ軍曹役佐生有五)

 全キャスト・スタッフが胸一杯の思いを込めて作り上げた、今の世界に一番必要な作品、それが『クワイ河収容所の奇蹟』なのです。


たとい、死の陰の谷を歩くことがあっても、私はわざわいを恐れません。あなたが私とともにおられますから。あなたのむちとあなたの杖、それが私の慰めです。
(詩篇23篇4節)

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