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クワイ河収容所の奇蹟 〜死の陰の谷を歩くことがあっても〜
レビュー(ビデオ評)
2人の生涯を変えた収容所体験

コメンテーター 古川 第一郎
日本キリスト改革派 南越谷コイノニア教会 牧師

 主人公/アーネスト・ゴードン
 主人公のアーネスト・ゴ−ドン氏は軍隊を志願したとき、彼の心には軍服のかっこよさと、甘い将来の見通ししかありませんでした。ところが、戦況は泥沼化し、ついにシンガポールで捕虜になり、日本軍のクワイ河収容所に入れられました。そこで、人間の醜さと気高さを極限まで体験し、生き方が変わっていきました。特に、ダスティン・ミラーから学んだ、「ゆるすことの強さ」。これが決定的な影響を与えたと思います。戦争が終わり、生きて帰った彼は、アメリカのハートフォード神学校で学び、プリンストン大学のユニバーシティ・チャペルの牧師になりました。引退後は、思想信条のために逮捕された人々を救出するための運動団体であるCREEDを組織して、人権を守るための戦いに生涯をささげました。

 通訳兵/永瀬 隆
 この映画には日本軍の通訳兵、永瀬隆氏が登場します。永瀬さんは1943年、泰緬(たいめん)鉄道建設の憲兵隊通訳として、現地へ赴任しました。そこでは、国際法を無視した日本軍の残虐行為がくりかえされました。映画でも、通訳をしながら、戸惑っている彼の姿がよく見られます。戦後は、連合国軍による墓地の調査に通訳として従事し、過酷な作業と伝染病で多くの犠牲者が出たことを知りました。 
 そして、自由に海外旅行ができるようになった64年以降、謝罪と慰霊の旅を続けています。また、95年からは毎年、日本の捕虜収容所で亡くなったイギリス兵の人たちの追悼を続け、平和を訴え続けているのです。

 二人の再会
 クワイ河収容所の中で友情が芽生えたこの2人は、戦後も交流を持ち続けました。この映画のラストシーンで、今は墓地となった収容所跡で、二人が再会の握手をしています。この握手は、ただの再会の喜びではなく、「これからも、人間が本当に大切にされる世界を作っていこう」という誓いのように見えました。

 アメリカで作られた反戦映画であるこの作品は、2002年11月に米国内で公開される予定でしたが、同時多発テロがあり、反戦映画が上映できなくなり、いまだに公開されておりません。それだけに、ビデオ、DVDの役割は大きいでしょう。
 今、まっしぐらに「戦争をする国」に向かって進んでいると思える日本。しかし、まだ自由があります。今、一人でも多くの人に、この映画を見て、考えてほしいのです。










たとい、死の陰の谷を歩くことがあっても、私はわざわいを恐れません。あなたが私とともにおられますから。あなたのむちとあなたの杖、それが私の慰めです。
(詩篇23篇4節)

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