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To End All Wars > Review 2

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クワイ河収容所の奇蹟 〜死の陰の谷を歩くことがあっても〜
レビュー(ビデオ評)
すべての戦争を終わらせるために

コメンテーター 古川 第一郎
日本キリスト改革派 南越谷コイノニア教会 牧師

「私の願いはただ一つ、すべての戦争をなくしたい。たとえこの身が引き裂かれても、魂の叫びは消せない」(きたがわてつ作詞「私の願い」より)

 この映画の原題は、"TO END ALL WARS"(すべての戦争を終わらせるために)。そもそも、第二次世界大戦に参加した連合軍の兵士たちは、「これはすべての戦争を終わらせるための戦争だ」と思っていたのです。アーネスト・ゴードン(シアラン・マクメナミン)も、「すべての戦争を終わらせるために」、大学を辞めて志願しました。

 1941年12月8日、真珠湾を攻撃して太平洋戦争に突入した日本軍は、次々にアジアを占領し、中でも大勝利を収めたのがシンガポールでした。アーネストの属する部隊もそこで捕らえられ、ビルマ奥地にある日本軍捕虜収容所に強制収容されました。そこでは、“死の鉄道”と呼ばれた泰緬鉄道の敷設工事のために、何百人という捕虜たちが強制労働させられていました。同じ戦争で、ドイツ軍、イタリア軍の捕虜の死亡率が4%であったのに対し、日本軍の捕虜死亡率は28%でした。国際法を無視した、日本軍の虐待行為が日常的に繰り広げられる中で、捕虜たちは精神的にも肉体的にも蝕まれていきます。

 ある日、ちょっとした口論から、隊長のマクリーン中佐(ジェームズ・コスモ)が虐殺され、それから捕虜たちの内部に蓄積されていた感情が噴き出してきます。キャンベル少佐(ロバート・カーライル)は、憎しみと復讐の思いを秘めながら、脱出計画を立てます。

 しかし一方で、クリスチャンのイギリス人捕虜ダスティ・ミラー(マーク・ストロング)に触発されたアーネストたちは、ジャングルの中に秘密の「大学」を作り、文学、哲学、芸術、そして聖書などを学び始めます。ダスティは「壁のない教会」を作り、自己犠牲、敵をゆるすことを共に学びます。人間性を失いかけていた捕虜たちが、徐々に尊厳と希望を取り戻していきます。その変化は日本軍人にも見えてきます。そんな中で、通訳兵のナガセ軍曹とアーネストの間に友情が芽生えます。

 「大学」の卒業式には、日本兵も参加して祝福します。しかしそのとき、キャンベル率いる反発グループは脱出計画を実行に移します。ところがそれが日本軍に見つかって、6人の捕虜が銃殺刑に。最後にキャンベルが殺されようというとき、ダスティが身代わりを申し出ます。イトウ軍曹は、クリスチャンのダスティを十字架につけ、キリストと同じように両手に釘を打ち込ませます。その軍曹を憎むこともなく、十字架の上で祈るダスティを見上げるイトウ軍曹の顔は無表情です。しかし、やがてその無表情のままの顔に涙が流れます。

 最後に形勢は逆転、戦争が終わり日本は負けます。そのとき、空爆を受けて瀕死の日本兵たちを、「敵ではない。傷ついた人たちだ」と言って治療し、介護する元捕虜たちの姿は、キリストがそこにいたとしか思えない光景です。しかも、これは実話なのです。














たとい、死の陰の谷を歩くことがあっても、私はわざわいを恐れません。あなたが私とともにおられますから。あなたのむちとあなたの杖、それが私の慰めです。
(詩篇23篇4節)

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