What’s New 「エクソダス 神と王」 公開

礒川道夫
ライフ・クリエイション ディレクター

映画「エクソダス 神と王」が公開されている。昨年から続けてキリスト教に関係する映画が上映され、このように世の中に広まっていくことは大変、喜ばしいことである。

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キリスト教映画というと、シニアの方々なら、「十戒」と「ベンハー」を思い出すはずだ。どちらもあの名優チャールトン・ヘストンが出演している。
「十戒」で彼が演じるモーセは、力強く、正義感に燃え、パロと対決し、イスラエルの民をエジプトから連れ出し、紅海を二つに分けて奇跡を起こす「ヒーロー」として描かれている。
クリスチャンが「出エジプト記」を読んで想像するモーセがそのような英雄型だとすると、今回の「エクソダス 神と王」のモーセには全く新しいイメージを持たれると思う。
全体的には「出エジプト記」に沿った展開がなされていくのだが、昨年公開の映画「ノア 約束の舟」では、神の声をノアだけが聞こえるものとして表現し、観客にはわからないように描いていた。しかし今回は、天からの声ではなく、一人の子どもの姿をとった神から伝えるという独特な表現方法を取っている。しかし私には、これが神の子、イエス・キリストを象徴しているように見て取れた。今回、監督のリドリー・スコットは科学的な考察を入れてパロとモーセの関係を描いていくので、クリスチャンではない方々に、よりリアリティーを感じさせることは間違いない。また、あの紅海のシーンでモーセが杖をあげて、海が二つに割れるような演出をあえて用いずに監督独自の考えでこの奇跡のスぺクタクルを描いていく。
ラメセスとモーセが、武田信玄と上杉謙信の「川中島の戦い」のように描かれ、10の災いのやりとりがなかった点を補完するかのように、神に従うか、従わないかの違いを表していくシーンは印象的だ。エジプトから出るモーセをどのように表現したかなども注目して、実際に映画をご覧いただければと思う。この作品が総じて「わたしはある」という神の存在を訴える作品となっていることは間違いないと思う。

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映画はエンターテイメントであるので、聖書と同じではない描き方をするのは仕方がない。だからこそ、一人一人のクリスチャンが、聖書を使って解説(伝道)するチャンスが生まれる。是非、こういった機会を積極的に利用して福音を語っていただだきたい。

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