DVD 試写室◆ DVD評 ゴールデンコンビによるテレビ絵本! 解き明かすのはミセス・チャーチ
「マナマナポン!」

「マナマナポン!」
大橋由享
友愛グループ イエス・キリスト ファミリー教会牧師

前回に引き続き、「マナマナポン!」のご紹介。これは、CGNTVで放映されている子ども番組をDVD化したものである。今回のリリースは3巻。各巻には、4話ずつが収録されている。
各回のメインは、テレビ絵本のコーナー。絵本の絵を写しながら、朗読をしていくのだが、アニメに慣れた子どもの興味を引き付けるためには、工夫が必要。一つの絵でも、トリミングして一部分を映したり、全体を映したり、変化をつけて数回に分けて見せるのだ。これは、NHK教育放送の子ども番組などで、おなじみの手法である。
「マナマナポン!」では毎回、柳川茂・作/河井ノア・絵による作品が朗読される。「リトル・ジョイシリーズ」で知られるこのご夫妻は、一般の絵本、児童書などでも活躍しているゴールデンコンビだ。
今回、改めて気づいたのは、河井ノアさんの作風の広さだ。たとえば、「キラキラの実」は、ダイナミックな線で描かれたユーモラスなタッチ。「ファーマーさんはみすてない」は、「リトル・ジョイシリーズ」のように、細部まで描きこまれた繊細な作品。そして、「おこってぷー」は、紙や毛糸などを使った、かわいい貼り絵。作品によって、自在に画風を使い分けている。しかし、共通するのは、ほのぼのとしたあたたかさ。まさにノア・ワールドである。 ストーリー担当は、ご主人の柳川茂さん。彼が主人公に選んでいるのは、点々模様がないテントウムシ、膨れることができないフグ、芽が出て使い物にならなくなったじゃがいもなど。氏の、小さくて、よわいものに向けられた視線はあたたかく、優しい。
今回のDVDに収録されている彼らの作品のほとんどは、直接的に、神が語られているわけではない。しかし、その裏側から、福音的なメッセージを泉のように汲み出すことができるのだ。
自分で絵本を読むだけなら、その裏側に隠されている真理に気づかないで終わってしまうかもしれない。しかし、この番組では、ちゃんと説き明かしてくれる人がいる。それが、ミセス・チャーチだ。特徴のある帽子に、白髪、眼鏡、エプロンをつけ、穏やかな口調で、今、見たばかりの絵本の内容を、聖書のことばを挙げながら解説する。しかも、子どもたちの日常生活、学校生活など、身近な場面に引き寄せて適用を迫る。あまり説教臭くないのも好感が持てるところだ。このゴールデンコンビ+ミセス・チャーチで、子どもたちの心に、大事な真理が植えつけられることを祈る。