CD Review ◆ CD評 CD『REAL』

CD『REAL』
西岡 樹久雄
軽井沢ホライズンチャペル 伝道師 / FM軽井沢GO GO Gospel!!! DJ

究極のラヴゴスペル、ファーストアルバムリリース!

 「愛を信じて生きるなら、あなたはひとりじゃない……♪」クリスチャンである、なしに関わらず、心を捕らえられるフレーズ。注目の新人クリスチャンアーティスト、サムエルは、新宿駅前で演奏していたところ、セキュラーのレコード会社の目にとまりスカウトされた。その背後に流れるキリストの愛をクリスチャンでない人までもが無意識に感じとるのだろうか……。今回、できあがったばかりのCD蕫REAL﨟のサンプル版を、FM軽井沢に持ち込んだところ、私の担当するゴスペル番組以外にも、二つの番組から取材を受け、FM軽井沢でパワープレイされるほどに注目を浴びた。

 サムエルの曲を聴くならば、すぐにラヴソングだと思う。と同時に、ラヴソングを越えた何かがそこにあることにも気づく。男女の愛を越えたゴスペルのメッセージが楽曲の根底に流れているからだ。私は勝手に「ラヴゴスペル」というジャンルだと決めることにした。ラヴソングだからクリスチャンでない方にも親しみやすい、ゴスペルだから愛と希望と力をリスナーに確実に届けてくれる。星野富弘さんの絵葉書をプレゼントする感覚でプレゼントできるCDだ。

 ミニアルバムの収録曲は六曲、[1]「主」ということばが一度だけ姿を現わす、ソウルフルな一曲 [2]心に迫るラヴバラード [3]英語の歌詞によるサムエル版の詩篇 [4]サムエルのピアノ曲を堪能できる [5]サムエル独自のワーシップソング [6]なぜかどうしようもなく好きになってしまう一曲。

 サムエルは、六歳の時、日本をこよなく愛する宣教師の両親と共に、韓国から日本へとやって来た。二つの国のはざ間で自己のアイデンティティに苦しんだ時期もあるというサムエル。日本語で歌詞を自由自在に操り、日本のど真ん中、新宿のストリートで日本人の心に語りかける姿……。

 ラヴゴスペルを生み出す原動力は、彼の心の奥底に秘められた、日本に対する深い愛情にちがいない。REAL~「ありのままの」サムエルという、ひとりの情熱的に生きる信仰者に触れる最高の一枚。