CD Review ◆ CD評 たましいにそっと寄り沿い、心をやさしく包む

LYRE2013めぐみのしずく―今生きていること―』”>
赤松 望
日本伝道福音教団 五泉福音キリスト教会牧師

一九九三年に東京基督教大学の食堂の片隅に置かれていたピアノを囲んで始まった賛美グループのリラ。
大学を卒業後、メンバーはそれぞれの道に進み、活動を続けていくことは困難だと思われていましたが、今年で結成二十年を迎えました。十一月には五年振りに待望のニューアルバム「めぐみのしずく」が発売されました。
私は、昨年十二月一日に行われたリラ結成二十周年記念コンサートに行きました。二十年経っても変わらない六人のハーモニーでしたが、そのハーモニーはより調和され深みを増し、ピアノの音色は優しさを増し、歌声とピアノが一体となって神様に献げられました。

「リラの魅力は何だろうか?」
帰りの車の中で、そんなことを考えながらCDを聴いていました。CDを聴くうちに、神様がたましいにそっと寄り沿ってくるような、神様の愛が心を優しく包み込んでくれるような不思議な感覚を覚えました。その時、「リラの魅力はここにあるのではないか」と感じました。
彼らの歌う賛美は、日常生活の中の様々な喜び、悲しみ、苦しみ、悩みを通して与えられ、生み出されてきた賛美です。彼ら自身が二十年という歩みの中で、たましいにそっと寄り沿われ、心をやさしく包み込まれる体験をしてきました。その信仰の姿が、「めぐみのしずく」に表れていると思うのです。
「めぐみのしずく」は、「土の器」という曲で始まりますが、この曲の中にリラの信仰・賛美の姿勢が凝縮されていると思います。他にはお母さんへの励ましの「おかあさんの味方」、福島を想って作られた「ふるさと」、二十年の想いを込められ作られた「すばらしいから」、メンバーの息子さんがヴァイオリンソロを弾き、親子でコラボしている「緑の風」など、見どころならぬ聴きどころ満載のCDです。「ここにあなたが共にいること ここであなたと共にいたこと 生きてゆく日を喜び祝おう そんな当たり前が本当にすばらしいから―」。CDを聴くあなたの心に、神様のめぐみのひとしずくが注がれますように。

<収録曲> 1.土の器 2.詩篇77:11-12 3.緑の風 4.虹を見つけた 5.祈りの翼にのせて 6.いのちのひかりは 7.詩篇68:32-34 8.おかあさんの味方 9.その右の手は 10.みむねのままに 11.ふるさと 12.すばらしいから 13.全地に告げよう 14.夕暮れ駅 15.主に感謝せよ