98%クリスチャンの国から1%クリスチャンの国に来て 第5回 ルーマニアのイースター

アマリア・ネクラエシュ
日本ルーテル教団新潟のぞみルーテル教会員

 最近、ルーマニアでイースターを過してから、八年経っていたことに気づきました(日本に来てから、ずっと、イースターシーズンにルーマニアに帰らなかったのです!)。つらいわけではないですが、私にとってルーマニアのイースターは、特別な香りがあって懐かしく感じます。何よりも懐かしいのは、イースターイブの行事です。ルーマニアのおもなキリスト教会は、ルーマニア正教です。とても美しい教会があって、イースターイブには、信者たちが真夜中のミサに行って、メッセージを聞いて、そしてイースターキャンドルからイエスさまの光をいただいて家へ帰りました。ミサのクライマックスは、みんなが希望と喜びにあふれて、声を合わせることでした。″クリストス ア イヌビアト ディン モォルツィ! ”(キリストは死からよみがえられた!)何て素晴らしい瞬間!ところでイースターに、ルーマニア人が信じていることが二つあります。一つは、イースターの夜に死んだ人たちのたましいが、愛する人たちに会いに来るために自分の墓地に戻ることです。だから、ミサの後、人々はキャンドルと花を持って、亡くなった愛する人たちに光と花をあげるために墓地へ行きます。そして、祈りを捧げて、死んだ人たちの代わりに貧しい人々に食べ物をあげます。もう一つは、突然、イースターの夜に死ぬことになったら、その夜だけ天国のゲートは広く開かれているので、オートマティックに天国に入ることができるという信仰です。ミサが終わったら、みんな家へ帰ってイースターのごちそうを食べます。オープニングは間違いなく手作りのイースターエッグです。続いて、イースター晩餐にしか作らないお料理――主の受難の記念のため子羊のお料理を食べます。野菜と子羊のお肉は、イースターのごちそうの基本です。何と言っても、夜のVIPは、イースターエッグですが。大人のたましいと体を昂ぶらせるのは、ツイカ(ウォッカの一種)とワインを飲むこと、子どもたちは伝統的なスウィーツをお腹いっぱい食べることです。そのように、ルーマニア人にとって、イースターは何よりも、主の受難、家族と友達の結束の大事さを思い出すひとときなのです。