98%クリスチャンの国から1%クリスチャンの国に来て 第12回 子どものころのクリスマス

アマリア・ネクラエシュ
日本ルーテル教団新潟のぞみルーテル教会員

空気がどんどん冷たくなって、冬の香りがしています。それと一緒に、遠い過去の想い出の香りもします。今日は、クリスマスについてお話しします。
冬が来ると、憂うつになりがちです。ルーマニアと日本との違い、そして、クリスチャンと神さまを信じない人々の間でのクリスマスの違いをいちばん感じる季節だからです。何がそんなに違うかですって。かなり違うのです!
日本では、早々とクリスマスツリーが立ち並び、ケーキとプレゼント、恋人とのデートが強調されるように感じます。お祭りの一つなのかもしれません(もちろん、クリスチャンたちは例外です)。
ルーマニアの、特に私が子どものころのクリスマスは、十二月二十四日の朝に始まります。まず、パパがパインツリーを持ってきて、みんなで飾りつけをします。おいしい香りに包まれたキッチンでは、ママが一生懸命、ご馳走を作って言います。「まだダメ! クリスマス礼拝が終わってから!」
夜になるときれいな服を着て一緒に教会に行きます。私がいちばん心を躍らせる瞬間は、皆が声を合わせて「グローリア・イン・エクセルシス・デオ」を歌うときです!キリストが生まれた喜び!
家に帰ったらご馳走が待っています。ボルシチ、ポークステーキとソーセージ、サルマーレ(ロールキャベツのような料理)に、手作りのケーキ!
そのうちに、モシュ(サンタ)が来ます。彼は(ママとパパの友人)時々、姿を現します。
それ以外のときは、チャイムを鳴らして、私がドアを開ける前にプレゼントを置いて去ってしまいます。仕方がありません。だって、モシュは、とっても忙しいんですもの(そのときのモシュはパパ。パパは、そっと裏へ回り、チャイムを押して、すぐに戻って「えっ、誰だろう?」という素振りをします)。モシュからのプレゼントを開いた後、幸せのうちに眠ります。ソリに乗って村の上を飛んでいくモシュの夢を見ながら……。
子どものころの想い出は、私にとって貴重です。今の私の存在に欠かせない大事な一部分です。ですからこの伝統、また、これから日本で家族と新しく作るクリスマスの伝統は、大事にしたいです。子どものころの温かい想い出ほど、大人になった心を優しく包むものはないでしょうから。
親愛なる皆さんが、感謝と愛で心いっぱいの素晴らしいクリスマスを過ごすことができるように祈ります。アーメン。