98%クリスチャンの国から1%クリスチャンの国に来て 第11回 未来の“すてきな男性”

アマリア・ネクラエシュ
日本ルーテル教団新潟のぞみルーテル教会員

今の若い男性は弱くて臆病で責任をとれない、女性を守れない、いわば〝いい男”じゃないという文句をよく聞きます。最近まで独身だった私自身、このことばに共感します。
これまで何人かと付き合いましたが、ほとんどの付き合いでがっかりしてきました。最初は、ヨーロッパ人と日本人とのギャップがあるからだと思いました。でも結局、うまくいかなくて、夫に出会う前の二年間、デートすることをやめました。私はそのとき、「〝いい男”なんて、どこにいるの?」と思っていました。私の周りにいるほとんどの日本人女性も、同じことを言っていました。
すべての女性には、理想的な男性のイメージがあります。物質的な面以外に、「優しくて、よく働き、女性を尊敬して、責任をとり、そして良いパパ、家族の長になる男性が理想である」などと。しかし、そういう男性はあまりいないので、ほとんどの女性たちはガッカリして、その心の中には、「〝いい男”は、どこにいっちゃったんだろう?」という思いが残ることでしょう。
えぇ、本当に〝いい男”は、なかなかいないというのは、どうしようもない現実です。なぜでしょうか。もしかすると〝いい男”のモデルが見つかりにくいせいかもしれません。そのことを思うとき、先日、読んだ文章を思い出しました。
そこには、神さまからみて、男性、そして女性はどうあるべきかが書かれていました。そして、男性について二つのモデルを紹介していました。一つは、弱くて罪について責任をとらず、自分のパートナーを責めたアダム。もう一つは、強くて優しくて謙虚で花嫁(教会)のためにいのちをかけたイエス・キリスト――。すべての男性たちは、自分の姿をこの二つのモデルから選ぶことができるというのです。もし誰もが、イエス・キリストをモデルにしたならどんなにすばらしいでしょう。
また、忘れてはいけないもう一つの現実があります。ある女性たちは、男の子が生まれると、独身のときの思いを忘れてしまって、自分が嫌いだったタイプの男性に育ててしまうのです! もし、弱々しく男らしくない男性に失望して傷つけられた女性たちが、自分の息子を〝すてきな男性”に育てようとしたなら、未来の日本男児たちは、全く違ってくるのではないでしょうか。
私たちは、この国の〝未来の男性”をどのように育てるか、という責任を持っているように思うのです。