時代を見る目 188 教育の現場から<2>
エースアタッカーはイエス様!?

櫛田 真実
日本福音キリスト教会連合 永福南キリスト教会員玉川聖学院高等部教諭

  戦後の日本で三十八年もの間、宣教を続けられたメティカフ宣教師が、かつて日本軍の捕虜収容所で映画「炎のランナー」の主人公として有名なエリック・リデル(当時は宣教師)から、日本人を愛する心のバトンを受け継ぐきっかけとなったのは、収容所内でのスポーツイベントだったと記されている。また、「ケンブリッジ・セブン」と言われる中国奥地伝道団の宣教師たちは、その信仰はさることながら、ボートやクリケットで鍛え、磨かれた心身をもささげたことで、主に大きく用いられたようだ。 日曜日に活動が重なることも多い中高生の運動部の活動は、教会から子どもたちを引き離す原因の一つと思われがちで、消極的な意見も多い。教会育ちのプロの音楽家が多いことに比べると、プロのスポーツ選手は少ないように思える。専門的な調査をしたわけではないが、もしかしたら日本の教会に男性が少ないと言われている原因の一つかもしれない。 一方で幸か不幸か、最近は少子化と顧問のなり手不足で部活動が縮小傾向の学校も多い。多くの伝統ある大学の運動部で薬物事件や性犯罪事件などが起こり、○○やってる奴には悪人はいないという「スポーツ神話」も崩れた。 私は毎年のように、運動部の中にクリスチャンが顧問として、部員としていることの可能性を再発見している(私自身、バレー部の顧問として一緒に動けるカラータイマーは年々短くなっているが)。勝利至上主義でなく、聖書の価値観で活動するとき、今まで一般的に言われてきた心身の健康や礼儀、競技力の向上に加え、泣く者と共に泣き、喜ぶ者と共に喜び、勝利の栄光は神様に帰す活動へと変えることができる。また、神第一の姿勢が崩れなければ、その召しに備えるためにも、教科の学習と同様、大変有意義な成長を遂げることができると信じる。さらには、たっぷりと一緒に時間を過ごした者だけに伝えられる証しほど力強いものはないとも思う。 昨夏、学校主催のバイブルキャンプに、引退したばかりの高校三年生のバレー部員に声をかけたところ、十一名中九名の部員が参加した。部員たちとは、進路や家族ついて、それまでにはないほど深い話ができた。彼女たちと天国で再会し、一緒にバレーボールを楽しむことが私のささやかな願いだ。そんなことができたら、もちろんエースアタッカーはイエス様!

 「ですから、生きるにしても、死ぬにしても、私たちは主のものです」
ローマ14:8

※1 スティーブン・メティカフ『闇に輝くともしびを継いで』いのちのことば社、2005年
※2 ロジャー・スティアー『ハドソン・テーラー』栗原督枝訳、いのちのことば社、2000年