日本人が信じる神、宗教観とは ■キリスト教を知るきっかけに

橘 恵介
単立 シオンの群教会員、聖契神学校学生

『マンガ 神なんていないと言う前に』を読み、まず印象に残ったのはマンガという形を使ってはいるが、無神論と有神論という少し哲学的なトピックから始まるという点だった。クリスチャンとクリスチャンではない人が接する、良い出発点から始めていると感じた。
その後も信仰を持っていない人たちがキリスト教に対して抱く様々な誤解や疑問について取り上げており、読み進める中で、キリスト教への誤解を少しでも取り除きたい、そしてその誤解が取り除かれれば、キリスト教はもっと理解される、という著者の思いが伝わってきた。また全体を通じて、神を信じること、さらにイエス・キリストを信じることは根拠のない盲信ではなく、根拠に基づいた行為であるということが強調されていた。
客観的証拠として「イエスの復活」が詳しく説明されている部分では、クリスチャンにとっても、くり返し確認が必要な内容が書かれていた。
このマンガは、キリスト教の基本的内容をよく説明しているため、教会において中学生・高校生と一緒に読むことができれば、クリスチャンの教育という面でも、またクリスチャンではない人にキリスト教の信仰を説明するという面でも、効果的に用いることができると感じた。しかし、読む人の信仰の有無にかかわらず、このマンガは一つの題材であって、一緒に読むこと、またこの内容について話し合うことが大切だと思う。このようなわかりやすいマンガを使って、より多くの人々が信仰について話すきっかけを持ってほしいと思う。