往復メール shioya Vol.8 なんで勉強しなくちゃいけないの?

塩谷達也
シンガー/ソングライター/プロデューサー JECA 西堀キリスト福音教会会員

 うん、その通りだと思うね。じゃあ、僕は、「自分はこう勉強してきた。そして、今、学生時代を終えて思うこと。」を書こうかな。

 ライブなどで大学に招かれた時にも、学生に話すんだけど、僕は大学時代、今より忙しかったかもしれない。歌に、バンドに、黒人研究に、英語に、恋愛に、バイトに、留学、夜中まで仲間と話しまくって、そのほか、芝居に、ボランティアに……いやあ、好きなことは何でもやりました。そして、残ったこと。多くの出会い。自分に与えられた時間とチャンスの中で、ベストを尽くしたという自信。やりきったという感覚。これは、敬が言っている一つ目の理由にも関連しているのかもしれない。チャレンジできるということは当たり前のことじゃないから。また、出会いこそ、自分で作ったものじゃなくて、今考えれば、与えられたものだよね。

 そう、確かに、どれだけベストを尽くしても、どれだけ自信を得ても、つかめないものがあった。卒業後、バンドで、トントン拍子にメジャーデビューまでいったけど、やりたいことと要求されていることとの間で、自分を見失ったよね。みんなの期待に応えたいけど、応えられなくて、そういう自分に真っ正面から向き合えなかったと思う。

 自分と現実の二つしか見えなくて、どんなにがんばっても、もがいても、自力では、その向こうにあるものをつかめなかった。暗闇の中でどうしていいかわからなかった時に、イエスに出会った。それは、自分の努力でも、才能があったからでもない。僕がつかんだのではなく、つかまれたんだ。イエスの愛の洪水に一方的に僕はのみこまれ、救われた。

 でも、今思うのは、一方的に愛されているからといって、黙って待ってていいわけじゃないということ。思い立ったら、何でもトライしてみること。そしていろんな壁にぶつかったらいいと思う。失敗することのできる恵みを、無駄にしてはいけないと思う。