四十路へのずっこけ恋愛道 教訓7 結婚生活に行きづまったときは、神の導きを信じるだけでなく乙女な時代を思い出そう。

松本望美
北朝鮮宣教会所属

 三十八歳という年齢からすると、堂々と「婦人会」モードではあるが、独身だということで「青年会」にとどまっている私。しかし、ときどき婦人会に出席するときもある。婦人会には出てみるもんだ。いや、出ておくべきかもしれない。「あこがれ」とか「夢の……」とか独身者の持つ結婚のイメージが崩され、「現実」を教えられる。「白馬の王子様はいない」とわかってきた私たちに、まるで追い討ちをかけるように「かなりリアル」なのだ、結婚って!

 「ノンクリの主人は、何でも頭ごなしに怒り、がまんしている私」だったり、「家に帰ってきても、夫婦の会話がなく寂しい私」「子育てについては私まかせで疲れる私」など、さまざまな現実を口にする夫人たち。

 そんなリアルな悩み告白のあと、私はきいてみた。「みなさん、結婚前はめちゃくちゃラブラブ・モードだったんですよね?」すると、夫人たちは「もちろん~」と声をそろえる。

 「私は、主人と初デートに野球を見に行ったの。でもね、すごく緊張しちゃって、カップのジュースを前の席の人にかけちゃったのよ!」

 そ、それって……どのぐらいの緊張度よ? 持ってることすら忘れちゃうのか?

 もうひとりは「私は新宿でデートしたのよ」「私は、大学時代のサークルで知り合って……」

 五十代の夫人たちなのだが、“デート話”をするときは、急に“乙女”に戻っているではないか! 頬をぽっと赤くして、恥じらっている姿がかわいい。え~と……さっきの“悩み相談のご主人”と“デートの男性”って同じ人なんですよね……?

 そんな話をしている最中、さっきから、まるで自分の家のように勝手にお茶をいれ、ほかの人に「飲む?」なんて言っているつわものの夫人がいたので、「ねえ、Yさんはどんなデートの思い出があるんですか?」ときいてみると、「え? 私? 私はデートのときにおしゃれして行ったのよ。赤いベレー帽をかぶってね、赤くてかわいいコートを着てね、ちょこんと待ち合わせ場所に立って彼を待ってたのよね~。うふふ。」……ありえない。

 婦人会に出席するようになって、結婚って「リアルな現実」ってことはよ~くわかった。

 たぶん私が、信仰深く、さらに福山雅治のような人と結婚したとしても、きっと夫婦間では何か発生するのだろう。(なんだ、それ?)