ブック・レビュー 朝、時間がないけれど……
みことばにふれたい人たちへ


山花典之
漫画家

〝朝〟と聞いて、何を連想しますか。「忙しい」「時間がない」「満員電車」……ビジネスマンであっても主婦であっても学生であっても、現代人にとって、朝とは〝慌ただしい〟ものです。クリスチャンにとって朝のデボーションは朝食と同じ。朝、聖書を開き、みことばを読み、短く祈って一日を始めることができたらなんと幸いなことか。でも、その時間がなかなか取れないのが毎朝の現実。〝朝食抜き〟で一日を始めるリスクは、健康だけでなく、記憶や思考にも及ぶ。物忘れ、集中力の欠如、そしてネガティブな考えへとつながってゆく。
みことばにふれない〝朝みことば抜き〟も、朝食を抜くのと同様、身体にも心にも悪いのは明白なのだ。だって、「人はパンだけで生きているのではない」のだから。
『朝ことば』というタイトルのこの本は、タイトルが指しているように、その慌ただしい〝朝”に向けて作られた本だ。時間がない、けどみことばが欲しい。そんな現代人のニーズにぴったりマッチしている。と僕は思う。
もくじには、ザーッと項目が並んでいる。「実行する」「ビジョンを持つ」「嘆き悲しむことをやめる」などという具合だ。自分に足りないもの、今求めているものにすぐに手が届く。そこを開くと、みことばが書かれてある。たとえば「ビジョンを持つ」ならば「幻がなければ、民はほしいままにふるまう。箴言……」といった具合だ。そしてその下には端的なショート・メッセージが書かれている。
これはまさに、朝忙しい人のための〝最短デボーションBOOK”なのだ。僕が前作『朝ことば』の愛用者と知って、今回書評の依頼が来たのだが、二冊目『朝ことばRe:』ができたと喜んでいる。しかも今回は、自分のオリジナル〝朝ことば〟が作れるという『朝ことばノート』も出たというからうれしいではないか。早速、使ってみよう。
「自分の妻を自分自身のように愛しなさい」(エペソ5・28)。なるほど、じゃあタイトルは、「妻を大切にする」か……。お皿洗って来ようっと!(笑)