ブック・レビュー 十人の牧師たちがつづる 神の想い――

 『「世の光」「ライフ・ライン」バイブルメッセージ集 こころの扉がひらくとき  』
澤 啓一
キリスト兄弟団 鹿児島教会

今回、「世の光」「ライフ・ライン」バイブルメッセージ集「こころの扉がひらくとき」が発行されました。
こんなに薄い書物で、十人もの牧師先生方、しかも日本で用いられております先生方のメッセージが読めるとは、大変うれしいことです。読ませていただき、とても読みやすいと感じました。
第一に、短くて読みやすいこと
この書物を開きますと、メッセージが左右二ページにまとめられております。
個人的なことで申しわけありませんが、私は食前の祈りとメッセージは短いことをすすめております。この書物のメッセージは、さっと読めて、初めての方にも抵抗なく最後まで読んでいただけると思います。
次に、分かりやすくて読みやすいこと
ある方が、自分が考えながら書いた文章と、自分が語ったことを書いた文章(例えば週報に書かれた前週の説教)は違うと言われました。前者は、読む人も考えながら読まなければならないもの。後者は、考えなくても受け止められるものだそうです。
この書物の特徴は、先生方が放送で語ったことをまとめたものです。分かりやすく、そして説得力のあるものです。
最後に、読みやすいけれども心に残ること
それは、みことばが語られているからです。
私は東日本大震災後、救援物資を持って現地を訪ねました。津波で町ごと破壊された現状を見ました。娘さんを亡くし、奥様が行方不明という一般の方と話しました。そして、この世において本当に残るものは何かということをあらためて実感しました。
「この天地は滅びます。しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません」(ルカ21・33)
みことば以外に頼りになるものはありません。この書物が、多くの人々のたましいに残ることを心より願います。