ブック・レビュー 元罪人のいのちの輝きの証言

 『立ち上がる力』
岸 義紘
ミッション2001伝道者

著者である進藤龍也牧師は四十一歳。前科七犯、服役三回、逮捕歴十三回、東京は池袋を縄張りとする覚せい剤密売を取り仕切る筋金入りのやくざとして、二十八歳で組長代行に抜擢されたその筋のエリートでした。
刑務所の中で、聖書を読んで悔い改めたやくざは、聖い愛と自由な信仰で結ばれた新しい親分、イエス様にいのちをささげました。出所後、JTJ宣教神学校を卒業し、その名も「罪人の友・主イエス・キリスト教会」という独立教会を川口市に開拓して牧師になり、御茶の水クリスチャン・センター四〇四でも「ザアカイの家」礼拝を毎週木曜日の夜に開いています。
ここ七年、牧会と並行して、全国を飛び回る伝道師としても高い人気を博しています。著書もすでに三冊あり、日本や海外のテレビでもいく度となくとりあげられています。
〝人間は、人生の途中で、これほどまでに変わることができる! 限界を超えたワルのヤクザが、愛と赦しを説く牧師になった! 自他ともに見限った人間に、あっと驚く復活の人生がある!”
その回心のできごとに多くの人々が感動し、熱烈なファン、隠れたファンは世界中にいます。この本は、沖縄の少年院での講演、仏教系のボランティア団体での講演、NPO非行と向き合う親たちの会での講演をまとめたものです。親も子も、教師も生徒も、経営者も会社員も、指導者も一般人も、だれもが人間の本質と人生の原点を、この本の中に見つけ出して、明日に希望を抱くことができるはずです。
〝学歴がなくても、学問がある。教育がなくても、教養がある。大切なのは知識の量ではなく、質である”
進藤龍也牧師を見ていると、しみじみとこういうことばが浮かんできます。キリスト様による救いで、創造主なる神様とつながった、元罪人のいのちの輝きの証言がここにあります。