ブック・レビュー 『 必笑ジョーク202 』

『 必笑ジョーク202 』
水野 健
日本福音自由教会協議会 枚方コミュニティチャペル牧師

ユーモアで人生に彩りを!

 この本は、気軽に読めるジョーク集です。このジョーク集を作るために、笑いをこらえながら、ジョークを書き留めている中野雄一郎先生と岸義紘先生の二人の姿を思い浮かべながら読むと、おもしろさが倍増します。
さて、ユーモアについてですが、欧米の映画を見ると随所にユーモアが出てきます。
日本の政治家は生真面目で、ユーモアに欠けていると言われます。それに比べ、欧米の政治家は公式の記者会見でも、よくジョークをとばします。そして、その場の雰囲気を和ませているのです。
学生時代に、このようなジョークを使えたらと思ったのですが、仲間から「君のジョークはちょっときつ過ぎるよ」と注意されたことがあります。そのときに、ジョークには人を楽しませるものと、人を刺す攻撃的なジョークがあることに気がつきました。
ユーモアは人生に有効です。人間関係の潤滑油の働きがあります。心配の洪水にれてている人、絶望の壁にぶち当たっている人、そのような人に人生の違った面があることを発見させる手助けになります。
ヴィクトール・フランクルは、著書『夜と霧』の中でナチの強制収容所を生き抜くことができた秘密として、精神力の力を語っています。その中の一つにユーモアをあげています。それは、「自己維持のための闘いの心の武器」と言っています。ある神学者は、ユーモアは大切な真理を教えるための「最後から一つ手前の真剣さ」と説明しています。
私は関西に住んでもうすぐ十年になります。関西と関東、他の地域とユーモアが若干違います。こちらでは、「ボケとツッコミ」という応対があります。関西人が関東人と話をすると冗談が通じない、言葉が冷たい、話が途切れてしまうと青年たちから聞きます。
ユーモアとは、相手のことを知らないと使えないものです。ユーモアは人への思いやりが必要とされます。
ぜひ、この本を読んでユーモアを身につけてください。