ブック・レビュー 『韓国初代牧師李基豊の生涯と信仰』
――日韓の歴史のはざまに生きて

韓国初代牧師李基豊の生涯と信仰――日韓の歴史のはざまに生きて
朴 永基
日本同盟基督教団 新札幌聖書教会 牧師

信仰によって生きることを新たに

 韓国初代教会史の中で尊く用いられた殉教者が五十人います。その中の代表的な人物が李基豊、朱基徹、孫良源の各牧師です。この三人の生涯と信仰がすでに日本に紹介され、多くの方にすばらしい影響と感動を与えていることを非常に喜んでいます。とりわけ李基豊牧師は、韓国の最初の平壌神学校の一期生であり、韓国教会の最初の牧師の一人であり、韓国人の最初の宣教師であり、三人の中で最初の殉教者です。この李牧師の生涯と信仰が二十八年ぶりに、改訂再版されたのは、信仰によって生きるキリスト者にとって大きな意味があると思います。

 私は、本書を読んで、悔い改めと回心、使命と召命、そして信仰によって生きることの奥義をもう一度新たに悟ることができ、より霊的に成熟していきたいという飢え渇きが与えられました。

 李牧師の信仰を言葉で表現することは困難ですが、私は「信仰と召命によって生きた神の器」ではないかと思います。その信仰と召命が彼の開拓伝道、宣教、牧会の土台となり、どんな苦しみや迫害にも耐え、キリストのすばらしい証人として最後まで生きることができたのではないかと思います。

 また「日本伝道旅行記」には、著者の李賜禮女史の信仰とあたたかい人柄が具体的に現れています。これを通して、女史の純粋な信仰、神の国への希望、罪の悔い改めとその結実、日本人に対する愛、祈りと感謝の生き方、信仰による子育て、福音宣教に対する心の姿勢を、親しみと感動の中で感じることができます。

 朴鐘祐氏の解説と一八六六年から一九四五年までの「李基豊関連年表」は、その時代の歴史的背景と韓国初代教会を理解するための大切な情報を提供しています。これを通して、李牧師が残した信仰の遺産を、現代の教会も共有し続け、次世代に伝える使命があることを感じました。

 誰でも、本書を通して、召命と信仰によって生きることの恵み、喜び、感動、感激、希望と重さを知ることができると確信し、ご一読をお勧めします。