ブック・レビュー 『悩んでいないで聞いてみたら?』
こっそり知りたい あのことこのこと

『悩んでいないで聞いてみたら?』
小澤 由紀恵
hi-b.a.高校生聖書伝道協会 スタッフ

はぐらかされてる? それもいい。考える力を引き出すから

 「一人一人の人生に触れるからこそ、通り一遍の解答では答えきれないものがあるといつも感じています」。この前書きを読んでこの本はいい! と思いました。私も同じ事を感じていたからです。高校生は質問箱。出てくる質問は多種多様です。その彼らの質問はそれに続く本当に聞きたいことの前ふりだったり、様々な葛藤や経験の中から出てきたものです。同じ質問だから同じ答えでいい、ということではないのです。この本には前書きにみられる著者の思いが現れているようです。質問者が誰であってもその一人一人に向かって語りかける文章には人を攻めたてたり非難するものではなく、励まし、慰め、どうにかしてその人がイエス様のところに行けるように、という願いが込められてるように思いました。

 もちろん、すべての質問に対して完璧な答えというわけではありません。時にははぐらかされたような思いになることもありますが、それでいいのではないでしょうか。

 人は考えるという力を神様に頂きました。よく、高校生に「はぐらかされた」と言われます。ある人がそんな高校生達にこんなことを言いました。「おいしい魚が食べたいんだけど、と言われたら二つの方法があると思う。ひとつはおいしい魚を用意すること。もう一つはおいしい魚の釣り方を教えること」。はぐらかし、と思えることはこの後者だと思うのです。人の考える力を引き出すのも解答者の役目。本書は二つの方法でバランスよくおいしい魚を提供している。自分のためだけでなく、いざ質問されたときのよいアドバイスをくれる一冊にもなりそう。

 難を言えば「こっそり」というほどの質問ではないこと。もっとこっそりとしか聞けない質問がたくさんある。第二弾に期待したい。なにより五百円という値段が嬉しい。ペットボトル三本と菓子パン一個我慢して五百円玉握りしめて本屋に行こう!