クリスマス特集
大切な人へカードをそえて贈りたい本 **『クリスマスってなあに?』**
わが息子、まっ君パパへ

片山信彦
ワールドビジョン・ジャパン事務局長

忙しく、厳しい仕事でしょうが、元気に励んでいますか? ミーちゃんママは四人の子どもたちの子育てに忙しい毎日を過ごしているのでしょうね。そして、四人の孫たちは、相変わらず元気に飛び跳ねているのでしょうか? みんながわが家に来てくれるたびに、その成長ぶりにびっくりしています。四人の孫たちがそれぞれ個性を発揮して、わが家で大きな声で話し、笑い、時としてけんかをする様子を見て、本当にいとおしく感じています。
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さて、もう今年もクリスマスを迎える時期になりましたね。愛する孫たちにクリスマスのプレゼントをしたいと思っていましたが、この絵本がとても素晴らしいので、クリスマスのプレゼントに加えて、そちらに送ることにしました。まだ字の読めない末っ子の咲来には、少し早いかもしれませんが、読んであげれば楽しいでしょうし、ほかの三人には十分に理解できる内容だと思いますよ。

実は、この手紙は飛行機の乗り継ぎをしている、南アフリカのヨハネスブルグの空港で書いています。
アフリカには、この絵本の主人公アッシアという女の子と同じ、難民の子どもたちがたくさんいます。ぼくも今までにたくさんの難民の方々に会ってきました。紛争や抑圧の中で、自分の国を出なければならなくなった人々です。そして、難民の問題の根本にある貧困という苦難を抱えた人々です。
この地球上には、アッシアと同じようにクリスマスの意味を知らず、苦難の中で本当の意味を実感できないような人々が実に多く生きています。そのことを思い巡らす時に、私たちはすべての人々のためにイエス様が生まれたクリスマスの意味と幸いを、もう一度深く受け止めなければならないと感じます。
この本の素晴らしさは、詩的で色彩豊かな絵からも伝わってきますが、何よりもアッシアがクリスマスを自分との関係で受け止め、喜ぶことができた物語にあるように思います。
アッシアは最後に「クリスマスはみんなにとって喜びの時!」と言っています。クリスマスは神様の愛がわかる時であり、神様の愛が満ちている時です。プレゼントをもらえるから素晴らしいのではなく、イエスさまがお生まれになったから素晴らしいのです。それが「喜びの時!」と表現されています。
この本をぜひ四人の孫たちに読んであげてほしいと思います。そして、まっ君の家族全員でクリスマスの素晴らしさを味わってください。
では、また皆に会うのを楽しみに待っています。

父より

『クリスマスってなあに?』
マックス・ボリガー 文
ジョヴァンニ・マンナ 絵
藤井 敦子 訳  1,500円