この春、あなたの読みたい名著が復刊!? 乾いた砂に「限定復刊

フィンクバイナー佳代
日本キリスト教団東京新生教会員

通勤時間が長かったのは、主の恵み以外の何ものでもありませんでした。
二十九歳で信仰を持った当初、何度も聖書を通読できたのは、そのおかげです。それだけではありません。吊革にぶらさがりながら、信仰書も山のように読みました。神さまをもっと知りたいという飢え渇きをいやすためです。
ですから東京にいた当時は、足しげくキリスト教書店に通いました。書店に入ると、入口でまず祈ります。「神さま、どうか今私が読むべき本を与えてください」。そして、心惹かれた本を片っ端から読んでいきました。不思議なように、その時々の私の霊的成長を助ける良書が、まことにタイミングよく与えられていたことを、今書棚を見渡してみてあらためて思います。
その後、結婚してドイツに住むようになりました。海外に住む日本人というのは、ただでさえ日本語の活字に飢えるものです。まして日本語のキリスト教信仰書など、ドイツで手に入らないものの筆頭ですから、みことばへの飢え渇きにもしばらく耐えているしかありませんでした。
そんなときに、日本にいる親しい姉妹から紹介されたのが、いのちのことば社の「限定復刊」だったのです。復刊の候補にあがった本の数々を見て、思わず歓声をあげました。知りたかったテーマが、もっと読みたかった著者の名が、手に入らなかった良書のタイトルが、ずらりと並んでいるではありませんか。
「限定復刊」の素晴らしいところは、良書のふるい分けがすでになされているということです。書店に並ぶ膨大な数の書籍から、自分の成長の糧になる一冊を見つけ出すのは簡単なことではありませんが、その場にいるならば手にとって見ることもできます。
けれども、私のように書店に足を運ぶことのできない者にとっては、いくらオンラインで簡単に書籍を注文できる時代だとは言っても、やはりいのちのことば社の確かな目であらかじめ良書であることを確認されている書籍の中から、安心して読む本を選ぶことができるというのは非常にありがたいことなのです。
それ以来、毎年「限定復刊」の恩恵にあずかっています。日本にいた頃の習慣もそのままに、「主よ、どうか今私が読むべき本を与えてください」と祈ってから注文しています。主も変わらず祈りに応えてくださって、復刊良書を通して、導きを、ヒントを、目からウロコの啓示の光を、私に与え続けていてくださいます。
素晴らしい企画に心から感謝するとともに、人類の共有財産であるところの信仰良書を、いのちのことば社が今後も復刊し続けてくださることを期待しています。