『たいせつなきみ』シリーズ10周年 あらすじ一気読み!

 

2巻目以降も面白い『たいせつなきみ』シリーズ
あらすじ一気読み!

ベースとなるテーマの
『たいせつなきみ』

ある村に、ウイミックと呼ばれる小人たちがいた。彼らは、彫刻家エリの手で造られた木彫りの小人だった。

ウイミックたちは、箱に金と灰色のシールをいつも持ち歩き、互いにくっつけ合って暮らしていた。才能や美しさを持つ小人には星のシール、反対に能力のない者には灰色のだめシールがつけられた。

何をやっても上手にできないパンチネロは、だめシールだらけ。「もうだれからも、いいとかわるいとか言われたくない」。そう思った彼は、造り主のエリに会いに工房を訪ねる。そして、パンチネロは、造り主のエリから、ありのままのおまえが愛しいと言われる。

『ほんとうにたいせつなもの』
を思い出すために

何を持たずとも価値があるのだと教えられたパンチネロ だったが、村で流行り始めた「箱とボール集め」に心を奪われてしまう。

彼は、友達や、自分を愛してくれるエリも忘れ、自分の時間や持ち物をつぎ込んで、箱やボールを買い集める。たくさん持てば偉くなり、偉くなれば幸せになれると信じていたから。身も心もすさんでいくパンチネロに、エリは再び語りかける。本当に大切なものを思い出してほしいと。

ありのままの自分でいい
『きみはきみらしく』

人のすることが気になってしまうパンチネロは、今度は流行を追うことに夢中になる。最新のスタイルに合わせて鼻を緑にぬって得意満面。ところが流行はすぐに変わり、ブームは赤い鼻に。次は青、ピンク、黄色……そのたびに鼻をぬり直しているうちに、エリが造ってくれた本当の自分の色がわからなくなった。

「わたしはよくよく考えて、おまえたちを、ちがうすがたにつくったんだ」というエリの言葉を忘れていたパンチネロだったが、ありのままの自分に戻りたいとエリの家に向かう。

神は見かけで評価しない
『たったひとりのきみ』

パンチネロの村に、有名なウイミック、ベス・ストーバルがやって来た。憧れのベスの仲間に入れるのは、彼女と同じ「特別な森で採れたカエデの木」で作られた者だけ。

「マツやニレはまあまあ。最低なのは弱いヤナギね」ベスの言葉に、小人たちはどの森の何の木かでお互いを分けへだてするようになる。

ヤナギでできたパンチネロは、「カエデならよかったのに」と一人つぶやく。彫刻家のエリは、やさしく語りかける。「おまえはヤナギでこそ最高なのだ」と。

造り主が喜ぶ『いちばん
うれしいおくりもの』

木彫りの小人パンチネロの一番の楽しみは年に一度の「造り主の日」。

「エリのために特別なことをするよ!」と張り切るパンチネロには、「いっしょにいてくれるだけでいいんだよ」というエリの言葉は耳に入らなかった。

ウイミック村では、エリを一番に喜ばせようと、みなが競い合うように贈り物を準備していた。何かすごいことをしなくてはと焦るパンチネロが、大失敗の末に用意した「いちばんうれしいおくりもの」とは……。

賜物を生かす『きみへの
とくべつなおくりもの』

ウイミックたちに、ある朝、不思議な贈り物が届けられた。大工仕事が好きなパンチネロには金づち、絵が得意なルシアには絵筆、器用なウッディには針と糸。それは、それぞれにぴったりの品だった。「でも、いったいだれが何のために?」

村を通りかかった旅人を助けるために、自分に届いた贈り物を使った村人たちは、贈り主の意図をようやく理解する。「人の物ではなく、自分がもらった贈り物を使って、一番上手にできることを、力一杯やりなさい」と。